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運送業界では週休3日制の導入が必要?佐川急便やヤマト運輸のケース

2022.01.06
分類:経営

運送業界は典型的な労働集約型であり、1人のドライバーが朝から晩まで長時間に渡り働き続けることが当たり前でした。

しかしその働き方が人手不足を深刻化させたと考えられ、急務となっている働き方改革による今の働き方に即していないとも考えられます。

そこで佐川急便では、2017年から正社員のドライバーを対象として週休3日制を導入し、社員の多様な働き方を推奨しています。

佐川急便が導入した週休3日制とは

現在、運送業界は深刻な人手不足ですが、その問題を解消することを目的として佐川急便が始めたのが週休3日制の導入です。

週休2日制の場合、1日あたりの労働時間は8時間となりますが、週休3日制であれば1日あたりの労働時間は10時間になります。

実際、週休2日制でも8時間労働で終わらず、10時間程度働くことが少なくないため週に3日は休みを取ることが望ましくなると考えられるでしょう。

佐川急便では週休2日の場合は副業を認めていませんが、週休3日制なら副業もOKとしています。

もともと法定労働時間である1日の労働時間上限8時間の趣旨は、124時間を3つに分けて、働く時間を8時間・睡眠を取る時間を8時間・生活の時間も8時間としたもので、健康・生活・安全を守る考えに基づいて決められています。

そのため2日では補いきれない働く以外の時間を週3日制導入で補うことができれば、ドライバーのモチベーション向上にもつながるでしょう。

週休3日制の場合には、休日を副業や兼業に使ってもよいですし、趣味や家族と過ごす時間に使うこともできます。

働くドライバーの自由な時間を増やし、どのような使い方をするのか選択肢も増えることがメリットといえるでしょう。

週休3日制導入で不安視されるリスクも

注意しておきたいのは、週休3日制を導入することで副業などを行い、働きすぎにならないかという部分です。

実際、週休3日制になったときに休日3日間をすべて副業に充てるケースはごく稀でしょうが、もしすべてを副業などに充ててしまったときには健康被害が心配されることになります。

ドライバー自身も健康管理を適切に行い、休日をどのように過ごすか決めることが必要です。

 

ヤマト運輸では週休4日制も導入?

さらに20189月には、ヤマト運輸がフルタイム勤務で1年以上在籍した従業員に対し、週休4日制を選択できる制度を導入しています。

育児や介護などでフルタイム勤務が難しくなった方や、50歳以上で体力の低下による退社を検討している方などが、引き続き働くことができる制度として定着率向上に向けた狙いがあるようです。