運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

物流の流れを止めないために!宅配業者が抱える苦悩を理解するべきという声も

2019.12.07
分類:経営

物流業務の中でも宅配は、慢性的な人手不足と労働環境の悪化により、労働者一人にかかる負担が増えている状況です。

様々な規制や集荷時刻の制限など、いろいろなニーズに対応しなければならない状況により、大手宅配企業も送料を値上げするといった対応が続いています。

ECへのニーズの高まりが宅配業者の苦悩に繋がる?

楽天やアマゾンでは、注文した翌日など迅速に商品を届けるサービスも提供していますが、人手不足とニーズの高まりにより従来の配送サービスを今のまま続けることは難しくなっている状況です。

特に配達したもの不在で、再配達が必要となる個数の増加は全体の約2割にのぼり、仮にこの2割の再配達をドライバーの労働力に換算すると何と年間約9万人にもおよぶことになるのです。

今後、日本で進んでいる高齢化が進めば、さらにインターネットを活用した買い物をする人が増え、ECのニーズが高まる反面、サービスを担うトラックドライバーは不足するといった状況になることが考えられます。

これではECのサービスを引き受けたくても引き受けることができない宅配業者が増えてしまうことになるので、以前のようにEC業界が宅配業者を選ぶのではなく、宅配業者が選ぶ時代になってきているといえるでしょう。

 

倉庫内作業を自動化することも方法の1

できるかぎり物流企業の倉庫内で作業にかかる時間や手間、人材を削減することで解決できる問題もあるはずです。

倉庫内でもっとも負担が大きいのは梱包作業であり、全体の作業の中で7割ある出荷の40%は梱包作業となります。

そこで、自動的に梱包できる機械を導入することも方法の1つで、自動化させればダンボールの梱包などは機械がセンサーで最適なサイズの箱を選ぶことまでできてしまいます。

資材と人材のコストを削減でき、作業も効率化されることで作業負担も軽減され、新しい業務を担うことにも繋がるでしょう。

 

前日でさえ翌日の出荷件数がわからない状況

EC業界では年末商戦やセール期などの繁忙期には、前日に派遣スタッフを募り対応するといったことも行われていました。

しかし現在では前日でも翌日の出荷件数がわからない状態であり、作業も複雑化している状況です。

このようなことからも、倉庫内作業をシステム化や自動化することで、集荷の前倒しや波動に耐えることが可能となり、さらにコストもカットできるようになると考えるべきなのです。

 

物流業界全体が効率化されることが必要に

成長を続けるEC業界ですが、さらに成長し続けていくためには魅力の高い商品作りにマーケティングが必要です。

物流業務に追われている状況では本来重視したいところがおろそかになる可能性もあるため、最適なラインを確保するためにも物流にかかる労力の削減が必要ですし、物流業界全体が最適化・効率化することが必要になるといえるでしょう。