運送・物流業は、経済が発展するとともに飛躍し、現在では世界屈指ともいえる企業が数多く輩出されています。
異なる業種でも物流機能を保有する企業が増えるなど、今では運送・物流は企業や消費者にとって欠かすことのできない存在になったといえるでしょう。
流通機能において重要で不可欠といえますが、その一方でサービスや品質を向上させることを要求され、価格引き下げや原油価格高騰、人手不足といった厳しい環境に耐えきれなくなる企業も少なくありません。
厳しい経営環境でも生き残るために、様々な課題をクリアしていくことが必要となりますが、その1つが人材育成であり、人事制度の構築といえます。
運送・物流企業が取り組んでいかなければならない課題はけっして少なくないといえますが、たとえば業務効率化にコスト削減などが挙げられます。
それを踏まえた上での品質向上にシステム構築、業務形態の多様化など様々な課題が残されている状況です。
これらに従事する社員の処遇や育成も重要であり、運送・物流企業が取り組んでいかなければならない重要課題ともいえます。
そこで、人事制度を構築するために、次の2つをポイントとして押さえておきましょう。
・評価制度は職位別に分けることが重要
・個人の成長に合わせた賃金制度を設計する
それぞれ説明していきます。
評価項目は、
・仕事の成果・業績の評価
・仕事に対する姿勢や能力・プロセスの評価
の2つです。
成果・業績の評価では、目標達成率・コスト削減率・在庫精度向上といった結果に対して評価します。
職務・プロセスの評価では、保有する知識・技術・技能・仕事に対する取り組みといったプロセスを評価します。
また、管理職と新入社員では求められる結果や行動が異なるため、求める成果・業績を区別することも必要です。
従来までは、終身雇用を前提とした年齢・勤続年数ごとに賃金が上がる仕組みでした。
また、扶養家族や住居など属人的要素も考慮した賃金制度となっていたといえます。
しかし最近では、これらの要素は排除されることが多くなり、従業員の処遇方針も変わってきたといえます。
会社への貢献度や能力に応じた処遇制度をつくることで、適正な賃金を実現し企業体質も変革していくことが可能です。
ただし、属人的要素を完全に否定するのではなく、たとえばチーム作業が多い職種や経験年数や技術習熟度が比例する職種などの場合、成長に合わせた処遇体系を取り入れるべきともいえます。