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運送業で制裁として不利益措置を行う懲戒処分について簡単に解説

2023.09.05
分類:総務

懲戒処分とは、たとえば無断欠勤・遅刻・不正行為など、社内規律を乱す行為があった従業員を戒めることを目的とした対処です。

 まさに社内のルールに違反をした相手に対する制裁ともいえますが、懲戒処分を下した従業員がその内容を不服とした場合、トラブルにつながる場合も多々あります。

 適正に懲戒処分を行うためにも、運送業で制裁として不利益措置を行う懲戒処分について簡単に解説していきます。

懲戒処分とは

 「懲戒処分」とは、従業員に制裁を与え不利益措置を行うことです。

 そのため対象となるのは、業務命令や社内規定に違反した場合など、会社の秩序を乱す行為をした従業員といえます。

 ただ、懲戒処分になる行為や処分については法律で具体的な内容が定められていないため、就業規則で「懲戒事由」と「処分の内容」を定め、対象となる範囲を決めておくことが必要です。

 

就業規則の明記内容

 従業員の懲戒処分については、就業規則に懲戒に関する規定を明記しておくことが必要であると労働基準法でも義務付けられています。

 また、法的に効力を持たせるためにも、懲戒の対象となる具体的な根拠を「懲戒事由」として、さらに処罰される内容として「懲戒の種類」を明記しておかなければなりません。

 そこで、次の2つについて簡単に説明していきます。

 ・懲戒事由

・懲戒の種類

  

懲戒事由

 就業規則に明記しておく「懲戒事由」は、主に以下の内容です。

 ・職務怠慢(無断欠勤・遅刻過多・職場離脱など勤怠における不適切な行動)

・業務命令違反(上司の指示・命令に従わない)

・職場規律違反(職場の規律への違反)

・経歴違反(採用にいける経歴偽証など)

・犯罪行為(会社の信用を陥れる犯罪行為を犯すなど)

 

懲戒の種類

 就業規則に明記しておく「懲戒の種類」は、主に以下の内容です。

 ・戒告(書面や口頭により注意すること)

・譴責(始末書提出などで注意を促すこと)

・減給(賃金の一部を減らし注意を促す処分)

・出勤停止(一定期間は出勤禁止とする処分)

・降格(役職や職位などを引き下げる処分)

・諭旨解雇(懲戒解雇にするだけの理由はあるものの情状酌量の余地がある場合に処分が重い懲戒解雇ではなく自主退社を求める処分)

・懲戒解雇(退職金や解雇予告手当を支給せずに解雇処分にすること)

 上記でもっとも重い懲戒処分は懲戒解雇ですが、どのような従業員でも対象にならないため判断は慎重に行う必要があります。