運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

把握しておきたい東京オリンピック開催期間中の物流対策

2020.10.18
分類:総務

都市運営にとっても、大きな挑戦といえるオリンピック・パラリンピック競技大会の開催。新型コロナウイルス感染症の拡大により、本来であれば2020年に開催されるはずだったものが2021年に延期されることとなりました。

大会を成功させるために、物流や輸送という要素は欠かすことのできないものであり、世界中から日本を訪れる数多くの選手や関係者、メディア、観客、観光客などに対応することが必要です。

東京オリンピック開催中の物流対策で必要なこと

東京には世界有数の鉄道網が存在しますが、そのインフラ資産を利用することで素晴らしい大会運営が可能となるはずです。

ただし大会が開催された場合、選手など大会関係者が車両で移動する際や、観客が鉄道で移動することで混雑が深刻化することが見込まれています。

安全で円滑に大会輸送を実現するためにも、交通への需要を抑制・分散・平準化させる交通需要マネジメント(TDM)を推進していくことが必要となるでしょう。

そしてオリンピック・パラリンピック競技大会が期間されている期間中の物流においても、商品や書類など荷物を発送することや郵便物の受け取りを行う企業・団体・個人事業主・一般市民・荷主の方に協力を促すことが必要となります。

具体的にどのような取り組みの協力を依頼すればよいかというと、主に次のような内容が挙げられます。

①交通量を抑制させるために必要な取り組みの例

・複数の荷主が連携し倉庫を共同で使用し共同で輸配送する

・テナントビルなどで集配業務を共同にて行う

・分散している複数の荷主の物流拠点を統合させ輸送網を集約する

・静脈物流を集約させ効率化させる

・輸送頻度を削減させる

など

②交通量を分散化・平準化させるための取り組みの例

・十分なリードタイムを設けた上での発注で、輸配送時間帯を柔軟に設定できるようにする

・十分なリードタイムを設けた上での発注で、輸配送ルートを柔軟に設定できるようにする

・オフィスを移転するなど大規模な物の移動が伴う作業は大会期間以外に変更する

・セールなど販売を促進する企画は大会期間以外に変更する

・在庫を調整させることで輸配送日を平準化する

・付帯作業を見直し検品作業を簡素化させ、納品時間を短縮化・輸送を効率化させる

・複数の物流拠点を保有するときには拠点から配送されるエリアなど弾力的な運用を行う

・納品時間を夜間に変更する

など

他にも特に渋滞が予想されるエリアでは、トラックの公道待機などで渋滞を悪化させることを防ぐため駐車スペースを確保しスムーズに荷物を受け渡せるように協力してもらいましょう。