運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

物流におけるサービスを向上させる上で気をつけておきたいこと

2019.09.14
分類:総務

商品を扱う企業が、対象となる商品を消費者のもとへ届ける過程を「物流」といいます。ただ商品を運ぶだけでなく、それまでの保管や梱包なども物流の中に含まれますが、輸送、保管、荷役、包装、流通加工は物流の5大機能といわれるものです。

サービスを向上させようと考える場合、この物流における一連の流れを把握した上で検討しなければ、コストばかりが膨らんでしまう点に注意しましょう。

物流と商流の違いを理解しておく

モノの流通は物流だけでなく、商品などの売買により対象となるモノの所有権が移転する商流もあります。

モノを売って代金を回収することが目的であるのが商流といえますが、物流は商品を販売した後で消費者に渡すことを目的としています。

購入した商品が届かないのでは消費者も買った意味がありませんし、代金を回収することもできません。何よりも信用を落とすことになってしまうでしょう。

そのため、消費者にしっかり商品を届け、双方が安心してその代金を回収するためにも、商流にとらわれ過ぎず物流をスムーズに行うようにすることがサービス向上のためには重要であるといえるでしょう。

 

すべて自社対応ではサービス向上やコスト削減に繋がらない可能性もある?

ただ、物流サービスを向上させ、コストも抑えようとすべて自社で行うことを考えるのは、場合によって非効率となる場合もあります。

まず物流サービスにかかる費用は年々高くなっているといわれていますが、その理由は近年主流となっているインターネット通販の利用者が急増しているためです。

在庫管理や梱包・ピッキング作業など商品を発送するまでに必要なコストに、運ぶ上での燃料費や人件費、設備費など、多岐に渡るコストが競争激化により高くなってしまうことがその理由として挙げられます。

自社ですべて行うのなら、1度にできるかぎり多くの商品を運ぶことができればよいでしょう。しかし実際のところ、インターネット通販で購入される商品は単品や少数であることが多く、配送する荷物に対する物流単価が高くなりコストパフォーマンスが悪化しがちです。

 

特に時期によって売上に差がある場合は注意!

売上が伸び続けていれば自社ですべて作業を行うことである程度コストを抑えることはできたとしても、売上が低迷してしまえば整備した発送体制が活かされることもなくなってしまうでしょう。

特にある一定の時期や季節のみ売上が伸びる商品などを扱っている場合、繁忙期と閑散期に求められる管理体制も違ってくるでしょうが、繁忙期に合わせて倉庫や設備を準備しなければならなくなってしまいます。

閑散期には必要のない設備だとしても、余計な費用が発生してしまうことを覚悟して準備しておかなければならなくなるので、コスト面だけで考えれば効率が悪いといえるでしょう。

必ずしも自社ですべてを行えばサービス向上やコスト削減に繋がると考えるのではなく、必要な部分は他社に委託することも検討するようにしましょう。