日本は有給休暇の取得率が低いといわれていますが、実際2000年以降は50%以下という割合で、取得が広がっていません。
物流企業でも同様のことがいえるでしょうが、記念日休暇などの制度を設け、従業員が有給休暇を取得しやすい環境にしてみてはいかがでしょう。
人手不足が叫ばれている物流業界では、人材をできるだけ多く獲得することが必要なため、就労環境を充実させ働きやすい職場と感じてもらうためにも有効です。
記念日休暇は、アニバーサリー休暇とも呼ばれていますが、「記念日」を理由とした有給休暇です。
日本の有給休暇取得率の低さを改善させようと、政府も2007年には「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」を策定しました。それにより、年次有給休暇の取得率は2020年までに70%まで引き上げるとしていたのですが、50%を超えていない現状です。
有給休暇を取得したくても、気遣いや職場の雰囲気などを理由として休みにくいと感じてしまう方もいます。しかし記念日休暇であれば、通常の有給休暇より取得しやすいことが特徴です。
実際、記念日休暇を導入したことで、有給休暇の取得率が20%未満から50%まで上がった企業もあるといわれています。
記念日休暇は、従業員個人の記念日に有給休暇を取得するという制度です。たとえば誕生日や結婚記念日など、人により記念日とする日は異なるでしょうが、誰にでも該当する理由であれば他の従業員に気兼ねせず休暇を取りやすくなるはずです。
記念日休暇を導入することで授業員が働きやすい環境となり、定着率向上や人材獲得につなげることが狙いといえます。
従業員が有給休暇を気軽に取得できない理由として、職場の雰囲気や他の従業員に対する気遣いなどもありますが、他にも急な病気や用事のために残しておきたいと考えるからです。
念のためにギリギリまで使わず、いざというときのために休むことができる休暇を確保しておこうと考えてしまうのは、日本人ならではの発想といえるでしょう。
他にも業務上、他の従業員に迷惑をかけてしまうという理由や、仕事量が多すぎるため休みを取る余裕がないという理由もあるようです。
そのように有給休暇取得にためらいを感じる従業員でも、記念日休暇なら気軽に取得できます。
そもそも有給休暇を自由に取得できない会社は、業務量が多く労働時間も長いというマイナスイメージがついてしまいがちです。
マイナスのイメージがついた会社で働きたいと誰も思わないはずなので、企業のイメージをプラスにするためにも、記念日休暇などの制度を導入することをおすすめします。