運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業の標準的な運賃による料金改定を

2021.07.21
分類:総務

令和2年4月、国土交通大臣からトラック運送業の「標準的な運賃」が告示されました。

この標準的な運賃の告示は、トラックドライバーの労働条件改善やドライバー不足の解消を実現し、安定した輸送力を確保に向けたものとされています。

法令遵守により、事業を持続させていく上で、国が適切とされる運賃を示したものといえるでしょう。

現在、新型コロナウイルス感染拡大の状況においても、トラックドライバーはエッセンシャルワーカーとして日本の経済を支えている存在です。

今後も物流を持続させるために、標準的な運賃を実現させ、トラックドライバーの労働条件を改善できる体制を作っていきましょう。

改正が実施された目的

トラック運送業では、トラックドライバーの労働環境が他産業よりも厳しい状況にあるとされてきました。

長時間労働に低賃金など、労働条件の悪さがドライバー不足を加速させていると大きな課題として取り上げられていたのです。

このような背景からトラックドライバーの労働条件を改善させようと、

・規制の適正化

・事業者が遵守しなければならない事項の明確化

・荷主対策の深度化

・標準的な運賃の告示制度の導入

などを踏まえた貨物自動車運送事業法の改正が実施されています。

この中で標準的な運賃の告示制度では、トラック事業者の荷主への交渉力の弱さや、令和6年度から運送業に適用される年間960時間の時間外労働の限度時間設定などを踏まえたものとなっています。

ドライバーの労働条件を改善させて、運送業が機能を持続的に維持させる上で参考となる運賃と認識しておいてください。

 

トラック運送業の標準的な運賃の告示に関する運賃料金設定変更届出

トラック運送業に係る標準的な運賃の告示において、標準的な運賃料金表を使用するときには運輸支局で運賃料金の設定変更届出を行うことが必要です。

営業所が複数ある場合には主たる営業所でのみ届出することとなります。営業所が複数の運輸局に跨がるのであれば、各運輸局分の料金表を届出することも必要です。

運賃料金表の運賃は、設定金額の変更もできますが同様に届出しなければなりません。

一般貨物自動車運送事業者・特定貨物自動車運送事業者・貨物軽自動車運送事業者は、運賃・料金を規定・変更したときは、運賃・料金の設定・変更した後30日以内にそれぞれ提出することが必要と貨物自動車運送事業報告規則にも記されています。

届出に必要となる書類は、

届出書式

新料金表(距離別・時間別)

料金に係る範囲(新)

運賃割増率・運賃適用方

旧料金表(距離別・時間別)

料金に係る範囲(旧)

運賃割増率・運賃適用方

で1セットです。