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運送業では業務繫閑休暇よりも変形労働時間制を導入したほうがメリットはある?

2021.09.09
分類:総務

運送業には繁忙期や閑散期がありますが、その時期に合わせて調整する変形労働時間制という働き方もあります。

また、業務繁閑休暇などを独自に設ける方法も考えられますが、多く取り入れられている変形労働時間制の注意点やポイントを押さえておくとよいでしょう。

変形労働時間制とは?

変形労働時間制とは、週・月・年単位で労働時間を調整する働き方のことです。

業種や職種により、閑散期や繁忙期などが発生しますが、一定期間の中で多忙な期間と比較的余裕のある期間が変動することも少なくありません。

繁忙期になると残業が増えてしまいがちなので、忙しくない時期の所定労働時間を減らし、反対に多忙な時期の所定労働時間を増やすことで月や年単位での総労働時間を調整する方法です。

繁忙期も閑散期も1日何時間と一律で決めるのではなく、週・月・年で合計何時間という考え方で調整します。

運送業の場合、繁忙期と閑散期は毎年おおよそ同じ時期に訪れるため、事前に総労働時間を調整すると人材不足などに対応しやすくなるでしょう。

 

変形労働時間制を導入するメリット

労働時間は原則18時間で週40時間ですが、これを超えれば時間外労働として扱うことになります。

週休2日制の場合、1か月が4週なら月の総労働時間は40時間×4週=160時間という計算です。

仮に1か月間を変形労働時間制にした場合、15時間で働く日もあれば110時間働かなければならない日も出てくるということになります。

本来であれば、18時間なので10時間働ければ超えた2時間分は時間外労働という扱いです。

しかし変形労働時間制を導入することで時間外労働として扱う必要はなく、忙しい日に業務に合わせて効率的に人員配分ができることがメリットといえます。

 

従業員側にもメリットがある働き方

変形労働時間制は運送業者だけでなく、従業員にとってもメリットがある働き方です。

忙しくない時期にはいつもより短い労働時間なので、ゆとりをもって働くことができプライベートにも多く時間を費やすことができます。

心身をリフレッシュしやすく、仕事とプライベートのメリハリがつく働き方の実現が可能となるでしょう。

ただし変形労働時間制ではどこから時間外労働なのか認識が曖昧になりがちなので、その点は注意しておく必要があります。

対象となる変形期間の日や週の労働時間を基準に考えなければならないため、事前に確認しておくようにしてください。