国土交通省は2021年5月20日、「働きやすい職場認証制度」の審査を完了させ認証事業者が公表されました。
この「働きやすい職場認証制度」とは、自動車運送事業者の職場環境の改善努力を見える化したもので、今回はトラック1718社、バス172社、タクシー658社の合計2548社が認証されています。
コロナ禍で認証を希望する運送事業者の数は当初1000を目標にしていたようですが、実際にはその倍以上が認証を受ける結果となった「働きやすい職場認証制度」。
申請した事業者は大企業だけでなく中小企業も含まれており、ドライバーの労働環境を整備しようと努力している事業者は少なくないことが確認できます。
取得の要件として法令順守はもちろんのこと、就業規則の内容よりしっかり届出がされているかなど確認・審査するものとなっています。
申請した運送事業者も、申請にあたり社内状況や職場環境を改めて知り、改善活動に役立たせることができたと感じているようです。
「働きやすい職場認証制度」は、トラック・バス・タクシーなどの運送事業者の働き方改革に対する取り組みを見える化し、ドライバーとして働くことを希望する求職者を増やすことや、人材確保の取り組みを後押しすることを目的としています。
審査の要件としては、
・法令順守
・労働時間・休日
・心身の健康
・安心・安定
・多様な人材の確保・育成
などの分野で基本的な取り組み要件を満たすこととされています。
改善の取り組みを認証制度により促すことができれば、過酷な労働環境にあるといわれている運送業が働きやすい労働環境と認識されるようになり、安定して人材を確保できるようになるでしょう。
運送事業者はドライバーなどの人材確保が進まないといった大きな問題を抱えています。
そのため認証制度により、多くの運送事業者が職場環境を改善させ、働きやすい職場のイメージを定着させることができると考えられます。
なお、認証取得のカギとなるのは、現在行っている活動やコンプライアンス順守の状況です。
認証を受けることができれば、自社のホームページなどで公表が可能となり、優良な職場環境の運送事業者であることを求職者・荷主・取引先・従業員の家族などにアピールできるようになります。
今後の認証申請受付の予定は、第2回目が2021年7月21日~10月15日までとなっており、認定された運送事業者の公表は2022年2月21日です。