運送業で働くドライバーの仕事は、単にトラックを走らせて荷物を届ければ終わりでなく、たとえば荷待ち時間や道路事情などによって予想外に拘束される時間が長くなりがちです。
勤務中に発生しやすい時間のロスがドライバーの長時間労働を深刻化させているといえますが、週休2日制など導入し適切に休暇を取得させることができていないケースもあります。
しかし2019年から労働基準法の一部が改正され、運送業でも2024年からは罰則付き時間外労働上限規制が導入されるため、ドライバーの労働環境を改善させていくことが必要です。
法定労働時間を超えて労働者を働かせるときには、労使間で36協定を結び書面契約を取り交わした後、所轄労働基準監督署長に届け出ておくことが必要です。
時間外労働してもらうためには運送事業者と労働者のどちらも合意していなければならないということですが、36協定を厳守させるために中小企業にも2020年4月から罰則付きの上限が設けられました。
たとえ36協定を結んでいたとしても、月45時間・年間360時間を超えて時間外労働させることは原則不可とされていますので注意しましょう。
ただし労使協定で決めた特別な事情がある場合に限っては、36協定で定めた通常の時間外労働の上限時間を超えて時間外労働させることが認められます。
運送業で働くドライバーの休日は、原則、1日の休息時間に24時間を合わせたものとされています。
1日の休息時間は最低でも8時間とされるため、最低でも8時間と24時間を合わせた32時間以上を休日として設定しなければなりません。
32時間あれば週休2日制だと考えるケースもありますが、これは最低でも与えなければならない休日です。
なお隔日勤務のドライバーの場合には、20時間以上に24時間を合わせた44時間以上を休日とすることが必要となります。
いずれにしてもここでの24時間は、連続した時間でなければならないとされています。
運送業で働くトラックドライバーの場合、1日あたりの労働時間は最長しても16時間までです。15時間を超える労働は1週間に2日まででなければなりません。
休日労働も2週間に1回を原則とし、1か月あたりの拘束時間は293時間・最大320時間までです。
この時間を超える労働になると違法となりますし、時間外労働は36協定を締結しておくことが必要ですので、あらためて法律を守った労働時間になっているか確認しておくことが必要といえます。