民間信用調査会社である帝国データバンクは、四国の企業を対象に物流の「2024年問題」について調査を行いました。
その結果、7割以上の企業がマイナスの影響があると答えており、地方の物流・運送業界の先行きが懸念される状況です。
2024年問題は、物流業界にとって今後クリアしなければならない大きな課題といえますが、今後どのような対応が求められるのか、最新ニュースの紹介に加えて解説していきます
「2024年問題」とは、2024年4月から働き方改革関連法施行により、時間外労働の上限(休日を除く年960時間)規制等が適用されることに対して、解決しなければならない問題のことです。
他の業態よりも労働時間が長いトラック事業などは、労働時間が制限されることにより、1日に運送できる荷物量は削減されるでしょう。
また、売上・利益の減少や、ドライバーの収入減少による担い手不足などが起こる可能性があるとされています。
帝国データバンクの行ったアンケート調査は、2023年12月から2024年1月にかけて実施されたものです。
四国4県に本社を置いている373社が回答しており、ドライバーなどの時間外労働の上限規制が適用される2024年4月以降、どのような問題が生じるのかが不安視されています。
この「2024年問題」について、物流面でのマイナス影響があると答えた企業は71.6%であり、影響はないとしている企業は13.4%、プラスの影響があると答えたのはわずか1.6%の企業でした。
実際、どのような影響が考えられるかというと、次の結果となっています。
・物流コスト増加(67.3%)
・人手不足悪化(44.8%)
・人件費増加(41.8%)
・配送スケジュール見直し(36.7%)
さらに「2024年問題」について、対応すると答えた企業は66.0%であり、その方法として運送費の値上げと答えた企業が36.6%でした。
対応しないと答えた23.3%の企業については、対応策が自社の実で検討できないケースもあり、2024年4月が差し迫っている状態でも今後、どのように対応すればよいか決めかねている状況といえるでしょう。
現状の課題解決への対応策だけでなく将来を見据えた業務効率化や改善が必要になってくると考えられます。
しかし金銭的な支援などがなければ実現できないケースもあり、自社のみの対応ではどうにもならず、新たな制度や体制づくりが求められるでしょう。
物流や運送の取り組みを継続して後押しする政策が求められているといえます。