2019年4月からは、働き化改革の一環により対象となる従業員には、年5日以上の有給休暇を取得させなければならなくなりました。
運送業でも企業規模に関係なく、対象となる従業員の条件に該当すれば、必ず年5日は有給休暇を取得してもらうことになります。
もし取得させなかった場合には、30万円以下の罰金など罰則の対象となるため、十分に注意しておくようにしましょう。
「有給休暇」の正式名称は「年次有給休暇」であり、本人の都合で休んだ場合でも賃金が発生する休暇のことです。
労働者が心身の疲労を回復したりリフレッシュしたりすることを目的とした休暇ですが、十分に有給休暇が取得されているとはいえません。
特にドライバー不足の運送業などは、有給休暇を取得すると他の従業員に迷惑がかかるという理由で、取得しにくい雰囲気などを感じ取ることができないケースもあるようです。
すべての産業や業界で有給休暇の取得率が低いことを重くみた厚生労働省は、2020年、有給休暇の取得率を70%に引き上げることを目標としてかかげました。
実現させる手段として義務化されたのが、年次休暇の年5日取得です。
そもそも有給休暇を取得すること働く従業員側の権利であり、年10日以上の有給休暇が給付される人が今回の義務化の対象になっています。
労働基準法では、入社6か月間継続雇用され、労働日の8割を出勤していれば有給休暇を10日付与しなければならないとしていますので、休暇の付与と取得の義務化については十分に留意しておくべきでしょう。
年5日間、有給休暇を取得させるということは、次の有給休暇の更新日まで5日は消化していなければならないということです。
従来までは、従業員が会社に有給休暇を取得してよいか申し出ることが必要だった会社でも、これからは会社が従業員に対し有給を取得しないか促すことが必要になります。
1人あたり5日の有給休暇を取得してもらうには、「年次有給休暇管理簿」を作成しておくことが必要であり、3年間保存しておくことが必要です。
休みを取れば基本賃金以外の手当が付与されず、収入が減ることを理由に休暇の取得を拒否する方も出てくるかもしれません。
しかし就業規則などを基準に従業員と話し合いを行い、必ず取得してもらわなければならないことを伝え、理解してもらうことが必要といえます。