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運送業界で問題となっている白ナンバートラックとは?

2022.09.15
分類:リスク

運送業界では、白ナンバートラックの存在が問題視されています。

白ナンバートラックとは、自家用の常用・商用車用ナンバーのことですが、自家用の乗用車と使用目的は同じのため、事業用として使ってはいけない車両といえます。

自社で取り扱う商品を運ぶことは問題ありませんが、他社商品や人の送迎など事業用に使い運賃を得ていれば違法行為です。

トラックを使った営業は、一般貨物自動車運送事業または特定貨物自動車運送事業の許可を取得しなければできません。

白ナンバートラックで運賃を受け取り、利益を得る営業を行えば、貨物自動車運送事業法により1年から3年以下の懲役または300万円以下の罰金の対象となるため注意してください。

白ナンバーと緑ナンバーのアルコールチェック義務の違い

白ナンバートラックではなく、事業用に使われている車両は「緑ナンバートラック」と呼ばれています。

白ナンバートラックの場合、緑ナンバートラックでは義務付けられている運行管理者の選任や、運転前後の検知器を使ったアルコールチェックは義務化されていません。

しかし安全運転管理者選任事業所として認定された企業を対象として、アルコール検知器による確認を義務化する道路交通法施行規則改正案も発表されているため、いずれは義務化される可能性があるでしょう。

また、安全運転管理者の業務についても、安全運転管理者の飲酒確認方法の具体的な明記はなかったものの、アルコール検知器を用いなければならないことが明記されています。

今後はより厳しくなっていくことが予想されます。

 

白ナンバーと緑ナンバーの税金の違い

車両を所有していれば自動車税と自動車重量税を納めることになりますが、自動車検査証上の最大積載量により金額詳細は違ってきます。

自動車税と自動車重量税は、どちらも白ナンバートラックが緑ナンバートラックよりも高く設定されるため、税金を抑えたいなら緑ナンバートラックのほうがよいといえるでしょう。

 

白ナンバーと緑ナンバーの点検整備費用の違い

定期的に行う点検整備期間は車両総重量によって異なります。

緑ナンバートラックの場合、3か月一度の整備管理を必ず行うこととなり、怠れば道路運送車両法に違反する行為となるため注意しましょう。

トラック車検費用についても、大型トラックは20万円程度かかるため、緑ナンバー取得は点検整備費用がかかりすぎると感じる方も少なくないといえます。