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運送業界に激震?大量に万引きした荷物が不正輸出されていた事件とは?

2023.01.04
分類:リスク

運送業界に激震が走ったのは、ベトナム人グループが大量に万引きした荷物を不正輸出した事件です。

2021年10月、ベトナム人グループによる大量万引事件に絡んで、国の許可を得ず運送業を営む「白トラック」営業を行った埼玉県のベトナム国籍の男2人が貨物自動車運送事業法違反の疑いで逮捕されました。

万引き事件の概要

ベトナム国籍の男2人が運搬していたのはベトナムへ不正輸出する荷物で、日本国内で万引きした被害品が含まれていたようです。

万引き被害品の海外流出ルートを捜査した結果、白トラ営業が発覚したとされています。

埼玉県の会社役員と運送業の両容疑者は、57月ごろにそれぞれ国の許可は得ず貨物自動車運送事業を営んだ疑いとのこと。

これまでも無登録でベトナムへ荷物を輸出していたベトナム人2グループが、貨物利用運送事業法違反疑いで逮捕されていました。

2つのグループはそれぞれSNSの会員制交流サイトなどを通じベトナム人から依頼を受けて、経営する都内の会社で荷物を受け取った後に通関業者を通じてベトナムまで飛行機を使って不正輸出していたとされています。

この都内の会社には、一般荷物だけでなく万引き被害の商品なども届けられていたようで、逮捕された2人はそれぞれのグループ会社から通関業者まで荷物を運んでいたとようです。

結局、不正輸出容疑の2グループの4人は不起訴となったようですが、このような仕組みをつくることを見逃してはいけないと考えられます。

万引き被害を防ぐ対策

商品を万引きされないように、たとえば商品監視システムなどを導入する店舗などもありますが、流通小売業の万引き被害は近年深刻化しています。

大量に商品を盗まれれば、事業継続にも影響が及ぶこととなるため、万引き防止のための具体的な防犯マニュアル設置や、鍵の所有ルールなど規程類も整備していくことが必要です。

また、効果の高い防犯機器を選定・設置・運用することや、店舗レイアウトの改善なども検討しましょう。

国際化・巧妙化する万引きの手口への対応が急務

万引き犯は、年々、低年齢化・組織化・国際化により、侵入盗の手口も凶悪化・巧妙化しているのが現状です。

万引きや窃盗で被害を受ける金額が大きくなれば、経営にも打撃を与えることとなり、最悪の場合には倒産や廃業に追い込まれてしまう可能性があります。

安全確保も含めつつ、盗難被害に遭わないための対策を企業内でしっかりと検討し、日々見直しや改善を行うことが求められます。