日本で排出されている廃棄物は、一般廃棄物と産業廃棄物に分かれます。
廃棄物の8割は産業廃棄物といわれていますが、もっとも多く排出されるのは「汚泥」であり、動物の糞尿などを除けば割合は近くなるでしょう。
また、建設汚泥も相当量あると考えられますが、汚泥の収集運搬業許可を取得したくても難しいケースもあるようです。
そこで、汚泥を収集運搬するための許可取得は難しいといわれる理由について解説していきます。
汚泥処理の課題として挙げられるのは、1990年以前の下水汚泥の埋め立て処分量は、固形物量約9割が埋め立て処分されていました。
少しずつ建設資材などに再資源化されるようになり、2005年時点の埋め立て処分量は約3割にまで減少したといえます。
地球温暖化対策としても、汚泥の再資源化技術は着目されているようです。
汚泥処理では、次の3つの工程から減量することを行います。
・焼却
・脱水
・乾燥
それにより再資源化できたものについては、発酵堆肥化により農業などで土壌改良剤として使われます。
焼却処理においては煤塵や燃え殻が発生することになり、焼却するときの燃焼エネルギーを活用した別の資源利用などもめずらしくないようです。
汚泥の収集運搬業許可は難しいといわれていますが、たとえば運搬容器が必要であることなどが関係します。
仮にダンプの荷台に平積みできる場合には、そもそも廃棄物ではなく土砂であるといえ、土砂を運搬するなら産業廃棄物の許可は必要ないからです。
汚泥の収集運搬業許可申請は自治体に申請しますが、受理する自治体によっては汚泥の分析も求められることとなり、有機汚泥の内容によって特定有害物質を含んでいないかなど確認されます。
特定有害物質を含んでいる場合、普通産業廃棄物ではなく特別管理産業廃棄物として扱われることとなり、別で許可が必要です。
さらに汚泥の内容によって他にも水素イオン濃度が求められることもあり、濃度が高すぎれば普通産業廃棄物の廃アルカリを超え特別管理産業廃棄物の腐食性廃アルカリとなります。
反対に濃度が低すぎれば、普通産業廃棄物の廃酸ではなく、特別管理産業廃棄物の腐食性廃酸として扱われます。
特別管理産業廃棄物に該当するか判断するための排出工程表のフロー図など求められることもあるなど、手続は複雑になると留意しておくべきでしょう。