他国間で行われる物の流れが「海外物流」ですが、国際物流とも呼ばれています。
輸出・輸入のどちらにも関係する物流であるため、船や航空便を使った輸送が主となり、手続もインボイス発行に保税倉庫準備・荷役業務など多岐に渡ります。
多国間をまたぐことになれば輸送期間も国内物流より長くなり費用も高額で、船便を利用すると数週間以上かかる上にコストが増えるケースも見られます。
そこで、海外物流の一般的な流れや、国内物流と違ってどのような課題を抱えているか解説していきます。海外物流の一般的な流れは以下の つです。
①梱包・出荷
②諸手続・輸出申告
③税関審査
④検査
⑤輸出許可
⑥貨物搭載
海外物流は輸送期間が長くなりやすいため、荷物が衝撃を受ける可能性も考えた頑丈な梱包が必要です。
出荷後にはインボイス発行や通関手続などが必要となり、必要書類が揃ったら税関に輸出申告を行って、輸出許可を得ます。
その後、船便や航空便など輸送ルートに貨物を搭載し、目的地に輸送が始まり届けられます。
海外物流では異なる国同士がやり取りを行うことになるため、次の4つの課題を抱えているといえます。
・海外企業との言葉の壁や複雑なやり取り
・為替レートでコスト分析が困難
・リードタイム長期化で在庫管理が難しい
・破損・紛失トラブルなど発生しやすい
それぞれどのような課題を抱えているか説明します。
海外物流では、海外企業との言葉の壁や複雑なやり取りが必要になることが課題です。
言語・文化・社会的背景など理解している人材がいないければ、海外企業とやり取りしにくくなってしまい、手続も複雑化します。
現地の言葉が理解できず物流が滞り、リードタイムが期待どおりとならず商品を届けることができないリスクも高まります。
海外物流では、為替レートでコスト分析が困難になることが課題です。
取引の際の為替レートによってコストも大きく変動してしまうため、それぞれのプロセスにおいてコストがどのくらいかかるのか算出しにくくなってしまいます。
海外物流では、リードタイム長期化で在庫管理が難しいことが課題です。
船便を利用する機会が多いため、リードタイムは比較的長期化しやすく、発送から目的地到着まで長くかかることを見越した手続が必要です。
海外物流では、破損・紛失トラブルなど発生しやすいことが課題です。
天候に左右されたり船舶トラブルが起きたり、通関の遅延などで配送が遅延してしまうこともあれば、不慮の事故で商品が破損・紛失するリスクも高くなります。