2017年4月1日から大手物流企業であるヤマトロジスティクスは、医療機関向けに「カルテ保管サービス」をスタートさせました。これは、中小規模の医療機関、そして廃院を予定している医療機関などのカルテ原本を一括契約にて最大10年まで保管するというものです。
日々、医療機関を受診する患者のカルテは膨大な量となりやすく、それぞれが保管しようとすれば十分なスペースやセキュリティ確保などが必要です。
カルテを簡易的な方法で保管していては、万一個人情報漏洩といった事故につながった時、医療機関側は多額の賠償金を支払わなければならない事態に追い込まれます。そのようなリスクを回避するために利用できるのが、このカルテ保管サービスなのです。
カルテ保管サービスは、カルテを保管するスペースが備わっておらず、また、管理にあたり十分なセキュリティを敷くことが難しいという中小規模の医療機関、そして廃院することを予定している医療機関などのカルテ原本を預かってくれることが特徴です。
サービスを提供するのは、調達・製造・販売・アフターサービスなど様々な領域においてロジスティクスソリューションを提供している物流企業で、クロネコヤマトでおなじみのヤマトホールディングスの傘下にある会社です。
一括保管契約によって、預けたカルテは最大10年まで確実なセキュリティの下管理されます。保管に用いるダンボールは箱単位で管理され、必要に応じて倉庫から箱単位で現物の取り寄せも可能としています。
さらに緊急でカルテを必要とするという場合は、対象となるカルテをデータ化し送ってもらうことも可能です。10年という保管期限が到来した後は、そのまま開封されることなく溶解処理工場で処分されますし、処分後には溶解完了証明書を発行されるため安心です。
このカルテ保管サービスの強みは厚生労働省ガイドラインに準拠した保管であることで、
稼動中や廃院後のカルテも預かり管理してくれることといえます。
特に廃院した後のカルテはどのように管理すればよいか頭を悩ませる問題のようですが、一定期間保管後にそのまま廃棄されるので情報が洩れる心配もなくなるでしょう。
使用頻度が少なくなったカルテから効率的に保管していけばよいですし、廃棄処理後は製品に再生される環境マネジメントにも対応しているとされています。
保管倉庫も指紋認証で一部の社員のみに入室許可が出る仕組みで、監視カメラなどで厳重に管理されているようです。