近年はグローバル化が進んでいるため、海外から国内、国内から海外という国際物流が増えてきています。
国際物流においては、物流にかかる時間や工数、費用などが国内物流より多くなるため、どのような問題が起きてしまうのか把握しておきましょう。
国際物流とは国際的なモノの流れのことを指しているので、
・船や飛行機を使った輸送
・通関資料を作成すること
・保税倉庫(通関などが通るまでの間、貨物を保管する倉庫)を利用すること
・輸出梱包
・保税地域(通関などが通るまでの間、貨物を保管する地域)における荷役や港湾荷役
なども含まれます。
国内物流においてはトラックや鉄道で輸送することが多いですが、国際物流は舶や航空機を利用することが多いという違いがあります。
国際物流の場合、物流過程がわかりにくいという問題も発生しています。なぜなら他国と輸出・輸入を行うこととなるため、複数の企業や組織が関係することとなるからです。
相手企業や組織に合わせた手続きも増え、細部まで分析することは困難となってしまうでしょう。
現地の企業と関わる際に、書類に用いる言語や通貨、費用の計算方法などが国内物流とは異なり、税関に提出する書類・運送会社とやり取りする書類なども煩雑な手続きが必要です。
運送管理・倉庫管理でも課金形態が異なることがあり、まず重さ単位で運送料金が決定されることもあれば、占める面積で課金となる場合もありますし、面積の単位が違うといったこともあるようです。
物流過程がブラックボックス化していれば、何にどのくらいの費用がかかっているのか分析しにくく、コスト削減に乗り出しにくくなってしまいます。
そして国際物流は在庫管理が難しいため、余剰在庫を抱えてしまいがちであることも留意しておきましょう。
商品を海外から輸入するまでにかかる時間は長く、船舶の定期便なども週1~2回、北米から日本に船で輸送するなら数週間かかってしまいます。発注した商品が届くまで1か月以上かかることもめずらしいことではありません。
そして運送にかかる時間が長いため、天候やエンジントラブルといった問題が発生する確率も高くなります。災害や政治的問題はもちろん、ソマリア海域を通るなら海賊に襲来される危険性もあると認識しておくべきです。
アクシデントによって在庫がなくなってしまえば損失が増えることになりますし、部品を海外輸入するなら製造できなくなってしまいます。このようなトラブルも見据えた上で、国際物流では在庫を余分に抱えておくことが必要です。
在庫を余分に抱えればコストも多くかかることになりますが、この余分に在庫を抱えることによって発生するコストは削減しにくい点も、海外との取引において抱える問題といえるでしょう。