冷凍食品は食品を凍らせた状態を保たなければなりませんので、物流における流通経路では特殊な管理が必要となります。
そこで、冷凍食品を運ぶ上でどのような点に注意しておくべきか、その内容をご説明します。
人々の食生活の中で、便利で欠かせない食材である冷凍食品。おいしさや扱いやすさだけでなく、家庭のゴミを削減するといったメリットもあることが特徴で、採れたての鮮度や作り立てのおいしさを保つため、急速冷凍されて作られた食品です。
その冷凍された状態を崩すことなく、適切な状態で保管されなければ、風味や食感が変わってしまいます。一度解凍されたものを再度冷凍しても、同じ鮮度やおいしさは保つことができなくなってしまうのです。
そこで、冷凍食品を流通経路で扱う場合には、徹底的に温度の上昇を防ぐことが求められます。
物流センターや倉庫などに保管する場合、荷受けの際や保管場所、出荷するスペースに至るまで、同じ温度で管理することが必要となります。
そのため、保管する場所などが一貫した温度管理が可能となる冷凍機や外壁であること、トラックを接車するバースは外気の遮断が可能となるエアシャッターやドックシェルターなどが設備されていることが必要です。
輸送や配送に用いるトラックにも当然、特殊な設備が必要です。冷凍設備が備わっていることはもちろんのこと、ドアを開閉する際に冷気が流れ出てしまわないように、断熱カーテンを設置することも必要ですし、冷凍機から噴き出す冷気を荷台に循環させることを可能とする壁体であることが求められます。
その上で、温度管理を可能とする測定や記録する装置も備えておくようにしましょう。
冷凍食品を運ぶときには温度を上げないことはもちろんのこと、壊れやすいという部分にも注意が必要です。
多くの冷凍食品は段ボールに収納されていますので、中身まで確認できなくなっています。
しかし、凍った状態であることは壊れやすいということなので、乱暴に扱うことは避けなければならないでしょう。
また、冷凍食品の多くは賞味期限が長めに設定されていますが、中には短めのものもありますので、保管も請け負うのであれば賞味期限の打ち合わせも必要です。
また、冷凍の食材によって運送の際の上限温度が決まっていることにも注意してください。
アイスクリームなどの冷菓はマイナス30度、冷凍マグロはマイナス50度以下でなければならないなど、それぞれ食材によって管理における決まりがあります。
適正な温度が保たれなくなると、品質の低下や劣化に繋がってしまうため、こちらも注意するようにしましょう。