秘密保持誓約書とは、企業での業務情報が持ち出されることや不正利用されてしまうことを防ぐため、従業員から取得しておく誓約書のことです。
物流企業でも従業員から秘密保持誓約書を未取得、または取得した内容に不備があった場合には、従業員退職後に顧客や技術の情報が持ち出されてしまっても法的手段を取ることができず泣き寝入りするしかなくなります。
顧客から預かっている大切な情報が漏洩してしまう、または不正利用されてしまうといったことがあれば、社会的な信用力を失うだけでなく損害賠償請求される可能性も出てきます。
そのため物流企業でも、正しく秘密保持誓約書を作成し従業員から取得しておくことが求められます。
秘密保持誓約書を作成したいけれど、どのように作ればよいかわからないときにはインターネットなどでテンプレートを取得し、そのまま使うといった物流企業もあるようです。
しかし準備されたひな形の内容が合っていなかった場合、法的効力が認められず意味のないものとなってしまいます。
そのため法的に効力のある秘密保持誓約書を作ることが必要ですが、具体的に次の点に注意しながら作成するようにしましょう。
秘密保持誓約書で最も重要なのは、秘密情報の定義を具体的・明確に記載することです。
法的効力を認めてもらうためにも、具体的にどの情報を持ち出すことを禁止しているのか、秘密にするべきことは何なのか明確に示しておくことが必要となります。
秘密保持義務には、必要な内容すべてを記載することが大切です。
・他に開示しない
・許可を得ず社外に持ち出さない
・許可を得ず複製しない
・業務以外の目的で使用しない
・秘密情報の毀損と漏えい防止に努める
・漏えい事故が起きたときは直ちに報告する
などのうち、どれを必要とするのか検討し、漏れのないよう記載するようにしてください。
秘密保持義務が守られているか、調査を可能とするようにしておきましょう。
具体的には所持品検査に異議なく応じることや、社内に防犯カメラを設置し動画の閲覧・保存を可能とすることなどがその例です。
情報が漏えいしやすいのは従業員が退職した後ですので、退職後も秘密保持義務を明記しておくことが必要です。
秘密情報はすべて会社に返却し、得た秘密情報の使用や他への開示はしないことをしっかり記しておくようにします。
在職中・退職後に関わらず、誓約内容に違反したことで会社に損害を与えた場合には、その損害を賠償する責任を負うことも明記しておくようにしましょう。