新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、インターネットを使って買い物を楽しむ消費者は増えました。
ネット通販では注文した商品が1時間以内に届けられるなど、充実したサービスが特徴である反面運送業の負担は重く、時間に追われ交通渋滞に巻き込まれたり運送中の事故が起きたりしないともいいきれません。
そこで、運送中になぜ交通事故が起きてしまうのか、その背景や原因を把握しておきましょう。
国土交通省の資料では、トラックの交通事故は増加傾向にあるともいわれています。輸送の安全確保を最優先しなければならない中で、事故件数を少しでも減少させることが必要ですが、何を対策として行うべきなのでしょう。
運送業界は労働者の過重労働など、過労死が起きやすい業種でもあります。長時間労働になりやすく、休みが取りにくい労働環境を背景に、深夜・早朝も睡眠不足で運転を続けなければならないなど疲労が蓄積しやすいといえます。
他にも車中泊などで十分な休憩を取ることができず、疲労を回復させにくいことで過労運転につながりやすいといえるでしょう。
荷物の積み下ろしや荷主の対応などが負担になることもあり、結果として注意力が散漫となって事故が起きてしまうのです。
そこで、過労運転を防ぐためにも労働者の健康管理には注意するべきといえます。
国土交通省でも「トラック輸送の過労運転防止対策マニュアル」を作成し、運送業の労働者が過労運転で事故を起こさないため、行うべき安全対策を公開しています。
このマニュアルでは主に次のポイントを取り上げていますので確認しておきましょう。
経営者から現場で働くドライバーまで、すべての方が、運送の安全を重要とすることを自覚・意識し取り組んでいきましょう。
過労にならない運転方法や睡眠のとり方の工夫をしましょう。
過労とみられるドライバーに対して、スケジュールの管理・調整、健康管理の推進など休息を促すことも必要です。
ドライバーの顔つきや態度の変化を観察し、変化が見られた場合はその原因をつきとめ対策を行うことが必要です。
運航計画を作成し国からの改善基準告知を遵守してください。
運行管理者はドライバーが日常的に健康管理を行うよう適切な指示を行い、点呼や健康診断の結果によりドライバーの健康状態を把握しておきましょう。
事業者と運転管理者はドライバーが相談をしやすい雰囲気をつくり、事業所内に相談しやすい場所を設けるなどコミュニケーションを取りやすくしましょう。
「安全運行パートナーシップ・ガイドライン」を着実に実施し、安全確保のために荷主と元請業者の理解と協力を得るようにしてください。
最新の安全自動車などは自動ブレーキが搭載されていますが、車両の安全対策として活用することも必要です。
特に都市圏などは大型トラックを駐車できるスペースは多くないため、ドライバーが休憩を取りにくいといえます。運行管理者は大型トラックが駐車でき、休憩可能とする駐車場やトラックステーションなどの位置を把握しておきドライバーに伝えておくようにしてください。