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運送トレーラの火災を未然に防ぐために実施したい対策とは?

2021.06.14
分類:リスク
運送トラックで運ぶことのできない大きな荷物はトレーラがあれば便利です。多くの荷物を一度に運びたいときにも有効な車両ですが、トレーラ火災を未然に防ぐことが求められています。

どのように火災を未然に防げばよい?

国土交通省でもトレーラ火災の未然防止について通達が出されており、その多くがブレーキに関連するものとされています。

具体的には、次のように未然防止の注意が促されていますので確認しておきましょう。

トレーラの日常点検を確実に行うことが必要

エア漏れや戻り不良、内部スプリングの錆や損傷といった、スプリング・ブレーキ・チャンバの不良の他、バルブがゴミなどでつまりピストンが固着するリレー・エマージェンシ・バルブの不良などには特に注意してください。

定期的な点検整備を

整備要領に従い点検や整備は確実に行うことが必要ですし、ゴム部品などは劣化するため、定期的に交換を行うことが必要です。

ブレーキを確実に解除し運行を

これに加え、運行の差異には駐車ブレーキが確実に解除されていることを確認することも必要とされています。

 

もし火災が発生してしまったら?

もしトレーラでブレーキの引き摺りが起きても、運転中に感知することは難しいと考えられます。

そのため未然に火災が発生しないように注意することが必要ですが、もし火災が発生してしまったときには路肩などにすみやかに停車し、安全な場所へ待避して被害を最小限にするよう努めましょう。

走行中は火の手が見えない場合でも、停車した後ですぐ発火することもあります。もし発火したときには、消防機関にすみやかに連絡するといった対応も必要です。

 

気温の低い冬期は特に注意を

冬期など気温が下がる時期は、リレー・エマージェンシ・バルブ内の水分が凍結しバルブ内のピストンの固着でブレーキの引き摺りが発生することもあります。

これにより火災が発生することもあるため、冬期においては次のような点検・整備でブレーキ機器内の水分を除去するようにしてください。なお、エア・タンク内に凝水がないことを確認することは法定点検項目となっています。

・エア・タンク内の水分の有無を確認し除去すること

・乾燥剤やフィルターなどを定期的に交換すること

・リレー・エマージェンシ・バルブ内の水分の有無を確認し除去すること

トレーラが路上火災を起こしてしまうと、ドライバーや第三者の命を危険にさらすだけでなく、物流を停滞させることにもなります。

そのため、火災は未然に防止することが第一と考え、かならず車両の点検・整備を欠かさず行うようにしてください。