運送業界でも特に水濡れなどのリスクがありがちなのが国際海上輸送です。
国内輸送とは異なり、長時間に渡り貨物が移動することとなるため、その間に貨物外装が衝撃を受けたり海水や雨水など水濡れの影響を受けたりといった事故のリスクが高くなります。
外装だけがダメージを受けるだけならまだよいですが、中の商品にまで影響が及ぶことは避けなければなりません。
そこで、国際海上輸送では商品にも影響を及ぼしかねない事故を起こす原因などについてご説明します。
国際海外輸送で貨物外装に小さなへこみや破れができてしまうことはめずらしいことではありませんが、外装だけでなく中の商品にまで影響を及ぼしてしまうのは次のようなことが原因と考えられます。
船の中でまず貨物を守る外箱がコンテナですが、航海の間で海水や雨水にさらされることになります。そのため長期に渡り使用を続ければ劣化していくものですが、劣化による破損などで海水や雨水が内側へしみ込むことも考えられます。
荷役時に貨物を乱暴に扱うことも原因の1つです。たとえば足で移動させたり水溜まりのある路面に置いたりなど、へこみや破損などの原因になると考えられます。
コンテナ内の貨物の積み付けが一方のみに偏っている場合や、固定がしっかりとされておらず動く状態の場合、輸送の間に荷崩れする可能性があり商品へ影響を及ぼします。
通気口のないドライコンテナの場合、外気温の影響を受けやすいため内側が高温になりやすいといえます。
そのため外気との温度差により結露が発生し、貨物についた水滴が影響を及ぼすことも考えられるでしょう。
他にも保管・梱包不良や機器の設定ミス、車両や船舶そのものに不良があるといったことも原因として考えられます。
このように国際海上輸送では水濡れなどによって商品がダメージを受けてしまう可能性が考えられますが、リスクを最小限に抑えるためには梱包を頑丈にすることが必要です。
しかし梱包を頑丈にするためには手間やコストがかかることとなり、さらに貨物容積も大きくなるため輸送費が多く必要となるでしょう。
海上保険などで対応できるリスクもありますが、事故の原因によっては免責事項に該当し補償されないこともあることは留意しておくことが必要です。