冬場には道路が積雪や凍結してしまい、運送トラックなどが立往生してしまえば、深刻な交通渋滞や通行止めを引き起こすことになります。
そのため冬場は積雪・凍結に備えて、必ず適切な冬用タイヤを装着できるように準備をしておくことが必要です。
交通渋滞など引き起こした運送事業者には、監査が行われ講じた措置が不十分と判断されたときには、処分の対象となってしまうため徹底して対応するようにしましょう。
国土交通省は2021年1月26日、トラック運送事業者に対し冬用タイヤの安全確認を義務付けるよう「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」の一部を改正しました。
これは年末以降に大雪となり、関越道や北陸道で大型車両の多くが路上に滞留する事案が発生したことによるものです。
運送事業者は雪道で適正な冬用タイヤを使用していると確認しなければならなくなりました。
冬用タイヤは車輪すべてに装着しなければ挙動が安定しないため、積雪・凍結道路では冬用タイヤをすべての車輪に装着しなければなりません。
使用限度の目安となるプラットホームは、溝の深さが新品時の50%まですり減ったときに、溝部分の表面にあらわれます。
積雪・凍結道路では、低速ギアでゆっくりと発進するようにし、坂道を上り終わるまではギアチェンジしないようにしましょう。
急発進・急加速・急旋回・急停止はすべて避け、柔らかくブレーキをかけるようにします。
カーブに入る前は必ず減速し、控えめな速度で車間距離を十分にあけて走行しましょう。
冬用タイヤの性能はいつまでも続くわけではなく、限界があります。運転するときには最新の注意を払い、乾燥路や湿潤路で使用するときには走行速度に注意するようにしてください。
トラックの整備管理者は、雪道を走行するトラックのタイヤの溝が、使用限度とされている新品時の50%よりすり減っていないことを必ず確認しなければなりません。
そして運行管理者は雪道を走行するトラックについて、点呼のときに溝の深さを確認したのか、必ずチェックすることが必要です。
乗合バスや貸切バスについても、同様の改正が行われるため、運送業界共通で守らなければならないことと認識しておきましょう。