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新型コロナの影響に強い運送会社と影響を受けやすい中小企業の違いとは

2022.01.21
分類:リスク

新型コロナウイルス感染拡大の影響は、運送業界だけでなく様々な業界や業種にもたらすこととなりました。

しかしトラックドライバーの場合、仕事が減ったと悩む方もいれば、反対に増えたと喜ぶ方もいるなど、状況が異なります。

売上が激減し、事業を継続していけない状況に陥った中小企業もいる一方で、ビジネス全体を見れば影響を最低限に抑え、堅調に経営を継続させている運送会社もあるといえますが、その違いはどこにあるのでしょうか。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けてしまった中小企業の特徴

新型コロナウイルス感染拡大により、緊急事態宣言が発出され、外出自粛や時短営業などで外食産業は大きな打撃を受けたといえます。

しかしその一方、ケータリングサービスなどは売上が上がるなど、同じ業界や産業でも明暗が分かれています。

運送業界も同じく、たとえばゼネコンの大規模工事現場への配送は激減しましたが、一般住宅の新築やリフォーム用の住宅建材の配送は増えています。

これらを踏まえた上で、コロナ禍で仕事が激減し売上が低迷してしまったという運送会社には、次の共通点が見られるといえるでしょう。

・限られた荷主とのみ取引を行っている

・特定の業界のみに特化している

・差別化できる特徴がなく参入障壁が低い業務を担当している

・営業活動をあまり行っていなかった

一社や一産業だけと取引することのリスク

たとえば1つのメーカーを荷主として専属的に仕事を請け負っていた場合、そのメーカーの工場がコロナ禍で休業しなければならなくなれば、配送する貨物もなくなります。

休業補償の交渉をメーカーと進めても、売上すべてを補償してもらえることはなく、スポット的な仕事を探してでも事業を継続させなければなりません。

複数社と取引している場合でも、共通する業界であればどの取引先からも仕事が発注されなくなる可能性があります。

予測不可能な社会的なアクシデントが起きたときでも、それに対応できるような備えが必要といえるでしょう。

 

アクシデントが起きたときへの備えが必要

今後、台風や震災なども起きないとは言い切れないため、そのようなアクシデントが起きたときでも仕事がなくならないようにしてくべきです。

リスク分散として事業に多様性を持たせることや、幅広く複数の顧客と取引を行うといったことも必要となります。

さらに競合他社に負けない強みを作り、その強みを活かした事業運営を行うことが生き残るためには重要です。