運送会社へ行政指導が行われ、結果的に行政処分となるケースとは、監査が行われた結果、悪質・重大な法令違反が認められた場合に科されます。
年々厳しくなっているといわれる運送会社に対する行政処分ですが、どのような種類があるのか理解しておきましょう。
運送会社に対する行政処分の種類は次の3つです。
・車両使用停止
・事業停止
・許可取消
それぞれの行政処分について説明していきます。
「車両使用停止」とは「日車」と呼ばれる行政処分で、「処分日車数制度」を指しています。
一定期間、運輸局に対し緑ナンバーを返納する処分となり、ナンバーを返納した車両を運送業で使用することはできなくなります。
車両の使用が停止される主な違反として挙げられるのは次の3つです。
・帳票類を改ざんした
・点呼の一部を実施していない
・3名以上運転適性診断を実施していない
なお、監査実施で行政処分となり、その後3年以内に再び違反すると処分日数は2倍になります。
車両停止処分が200日車を超えるときには、地方運輸局のホームぺージに事業者名が公表されることになるため注意しましょう。
「事業停止」とは、悪質・重大な法令違反があったとき、30日間、運送自体できなくなる行政処分となっています。
悪質または重大な法令違反とは、次の行為があったときです。
・運行管理者を選任していない
・整備管理者を選任していない
・すべての運転者に点呼を実施していない
・監査拒否や虚偽の陳述があったとき
・名義貸しや事業の貸渡しがあったとき
・乗務時間の基準に著しく違反しているとき
・すべての車両の定期点検整備が実施されていないとき
また、違反点数の累積で事業停止処分になることもありますので注意してください。
「許可取消」とは、運送業許可が取消されてしまう重い処分ですが、次のいずれかに該当するとき適用されます。
事業停止処分を過去2年間3回受けていた場合で、次のいずれかに該当するときは「累積違反点数超」となります。
・累積違反点数30点以下で270日車以上車両停止処分を付されたとき
・累積違反点数31点以上で180日車以上の車両停止処分を付されたとき
・累積違反点数51点以上になったとき
一つの管轄区域内で累積点数81点以上になったときにも「累積違反点数超」とされます。
車両使用停止処分または事業停止処分を受けており、自動車検査証または緑ナンバーの返納命令に従わないときに対象となります。
事業停止処分を受けており、処分を受けた日から3年以内に再度悪質または重大な違反を行ったときも対象です。
以下に挙げる命令に従わず、行政処分を受けているのに3年以内に同じ違反をしたときにも対象です。
・事業計画に従い業務を行う
・安全管理規定を変更する
・輸送の安全の確保
・公衆の利便を阻害する行為の停止
・事業改善
許可を取得していないのに、継続して有償による旅客運送を行ったときにも対象です。