運送の仕事の中には、危険物を運搬する業務なども含まれます。
ただ、危険物の種類や、陸・海・空など運搬する方法により、規制される国内法令は異なります。
陸路をトラック運搬することを想定した上で規定しているのが消防法とその関連法規ですが、陸路における危険物・毒劇物の運搬・運送で必要なことや注意しなければならないことについて説明します。
危険物を運搬・運送するときには、「危険物の規制に関する規則」に注意することが必要になります。
「危険物の規制に関する規則」で、同一車両で異なる類の危険物を積載し、運搬するときに混載禁止されているものがあるからです。
指定数量による規制と類別による混載禁止については以下の通り決まりがあります。
・指定数量以下の場合…高圧ガスと混載禁止
・指定数量10分の1以上の場合…高圧ガスとの混載禁止・類を異にする物品の混載禁止
・指定数量以上の場合…高圧ガスと混載禁止・類を異にする物品の混載禁止・危険物の標識を車両の前後に提示することが必要・運搬する危険物に適応する消火設備が必要
さらに車両に掲げる標識について、0.3㎡で地が黒色の板に黄色の反射塗料のものを使うことが必要です。
反射性を有する材料で「危」と表示しておき、車両前後の目につきやすい場所に掲げることが必要とされています。
さらに化学物質の有害性や、事故が発生したときの応急措置、緊急連絡先などを記載した「イエローカード(緊急連絡カード)」も必要となります。
毒物・劇物に限定せず、危険物などでも活用できるものであり、(社)日本化学工業協会で 事故発生時の応急措置対策の強化として作成要領に関する指針作成・運用を行っています。
他にも、「危険物の運搬容器の規制」や「運搬容器の表記の規制」などもあるため、規制に違反しないように注意してください。
たとえばタンクローリーなど移動タンク貯蔵所の場合、移送する危険物を取り扱うことができる資格保有者(危険物取扱者)が乗車し、危険物取扱免状を携帯することも必要となります。
移動タンク貯蔵所には次の書類を備え付けておかなければなりません。
・完成検査証
・定期点検記録
・譲渡引渡の届出書
・品名数量または指定数量の倍数の変更届出書
危険物や毒物を運搬するときにはほかにも日本道路公団3社が指定している危険物の種類も設けられており、危険物の積載数量・積載貨物による通行規制なども行われていますので注意しましょう。