運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

物流倉庫で火災が発生してしまう理由は?事故を防ぐために必要なこと

2019.12.14
分類:リスク

20192月、東京都大田区の物流倉庫で火災が発生し、3人の方が亡くなった事故を覚えているでしょうか。

顧客からの荷物を預かる物流倉庫や物流センターでは、火災が起きてしまうことのないように努めなければなりませんし、従業員の生命にもかかわることなので安全対策を講じることも重要です。

そこで、物流倉庫などで火災事故が起きる原因として最も多いのは何なのか、その要因などについて確認しておきましょう。

物流倉庫で起きた痛ましい事故

2019212日の午後1時半ごろ、東京都大田区城南島にある「マルハニチロ物流・城南島物流センター」から煙が出ていると119番通報があったことで発覚しました。

倉庫の5階部分、約1千平方メートルが焼け、屋上や室内から逃げ遅れた8人の方が救助されたものの、1人は負傷、3人の方が亡くなるといった痛ましい事故です。

マルハニチロの子会社が運営している食品の冷凍・冷蔵保管庫からなぜ出火したのか、その当時火元となった5階では冷凍庫の入れ替えのため、配管工事が行われていたようです。

 

物流センターで起きる火災でもっとも多い原因は放火?

顧客の商品を預かる物流センターでの火災は絶対に防がなければならないとはわかっていても、倉庫の横にはゴミや段ボールなど燃えやすい物がそのまま積まれた状態という光景もめずらしくありません。

建物周辺が汚ければ放火の対象になりやすいようですが、実は出火原因は放火が最も多いことにもっとリスクを感じるべきでしょう。

見知らぬ人が出入りできないような対策を講じ、死角をなくして戸締まりはしっかり行うことが必要です。

ゴミや古新聞、段ボールといった燃えやすいものは前の夜から外に出さないようにし、一定間隔で見回りを行うといったことも必要といえます。

 

内部からの放火を防ぐ対策も重要

ただ、これらの対策で外部からの放火は防げたとしても、内部からの出荷は防げません。実際、従業員がストレスを溜めこみ、ストレス発散のために火を付けたという事故も起きています。

従業員のストレスチェックなども重要視されているところですが、従業員50人以下の職場ではこのストレスチェックは義務付けられていません。

しかし50人以下の職場でもできる限り実施するようにし、日々、従業員がどのようなことに不満やストレスを感じているのか知り、改善していく職場環境づくりが必要となるでしょう。

会社内でも親睦会などを作り、従業員のストレスを調査・分析するといった取り組みが必要になると考えられます。