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国際物流で欠かせない貿易において必ず通ることとなる税関とは?

2020.02.17
分類:その他

税関とは、輸出入貨物に対して課税される関税を徴収し、輸出入の通関手続きの審査や違法な輸出入を監視、保税などを業務とする役所です。

輸出入貨物は一度すべて税関の管理下に置かれることとなり、輸送に従事した船舶や航空機も同じく税関の管理下に置かれることとなります。

税関で徴収される関税とは?

関税とは一般的に輸入品に課税される税金として定義されていますが、もともと古代都市国家における手数料に始まって、内国関税や国境関税などの変遷を経て今に至る税金です。

他の租税と同じく、税金からの収入は国庫の収入となります。関税が課せられることになれば、その分、コストが増えます。国産品に対する競争力が低下してしまい、関税の国内産業保護という機能が生まれますが、この産業保護が関税の重要な機能となっているのです。

 

税関検査で確認されること

外国から貨物を輸入するときには、税関に輸入における納税申告を行って、税関の検査が必要とされれば検査を受け、輸入許可を得ることが必要です。

税関検査は社会悪物品が国内に流入することを阻止することであり、貿易における秩序を守るため適正に関税を徴収し確保することを目的としています。

そこで、次のような観点から輸入申告の内容と現品が同一のものか確認されることとなります。

・覚醒剤や麻薬、拳銃などの社会悪物品、偽ブランドなど知的財産侵害物品など輸入が禁じられている物品が含まれていないか

・食品衛生や植物防疫などの観点から、関税関係法令以外の法令輸入許可・承認などを要する貨物の場合、法令の規定する許可・承認などを受けているか

・原産地を偽り誤認させるような表示が行われていないか

・適正な納税申告が行われているか

税関検査は一般市民を巻き込む犯罪を阻止するなど、社会的な要請に応えるためにも必要なものであり、国際物流が円滑に行われることを阻害されることのないように機能しています。

外国から貨物を輸入するとき、税関検査の趣旨や目的を理解した上で、効率的に実施できるよう協力するようにしましょう。

 

税関の役割を理解しておくこと

税関では、国内関係機関や関係業界、各国の税関・国際機関などと協力・連携力しながら適正に税関行政運営に取り組んでいます。

安全・安心な社会を実現するために、銃器や不正薬物などが密輸されることを阻止し、テロ行為などを未然に防ぐこと、国税収入の1割相当を占める関税を適正・公平に徴収すること、国際物流におけるセキュリティを確保し貿易の円滑化させることを使命としているのです。