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「有償運送」とはどのようなサービス?自家用有償旅客運送と福祉有償運送の違い

2022.09.17
分類:その他

「有償運送」とは、車両などを使用し、運賃を受け取って人やモノを移動させることですが、サービスとして「自家用有償旅客運送」や「福祉有償運送」などがあります。

そこで、「有償運送」とはどのようなサービスなのか、自家用有償旅客運送と福祉有償運送の違いについて説明していきます。

自家用有償旅客運送とは

「自家用有償旅客運送」とは、バス・タクシーなどの運行のない過疎地域などで、住民の移動手段確保のために登録を受けた市町村やNPOなどが自家用車を使って有償運送するサービスです。

これまでの自家用有償旅客運送の事務・権限は、国土交通大臣から運輸支局へと委任されていましたが、平成27101日からは都道府県知事に移譲されています。

自家用有償旅客運送を行うときには、市町村が実施する場合には地域公共交通会議、その他は運営協議会で協議を行った上で、都道府県知事の登録を受けることが必要です。

 

福祉有償運送とは

「福祉有償運送」とは、障がい者や要介護者などを対象として、市町村やNPOなどが乗車定員11人未満の自家用自動車を使って行う個別輸送サービスです。

タクシーなど公共交通機関で確保されないサービスを実施できますが、国土交通大臣の登録を受ければ営利に至らない範囲での対価の受け取りが可能となります。

原則1対1の個別輸送となりますが、透析患者が通院するときや障がい者の施設送迎については、複数人の乗車も認められます。

市町村の「市町村運営有償運送」の「市町村福祉輸送」と、NPOや社会福祉法人などの「福祉有償運送」に分かれていましたが、2020年の法改正で「福祉有償運送」に統合されました。

福祉有償運送の利用対象者

福祉有償運送の利用対象者は、

・身体障がい者

・精神障がい者

・知的障がい者

・要介護認定者

・要支援認定者

・その他の障がいを有する方

のうち、他人の介助がなければ移動が困難であり、単独でタクシーやその他公共交通機関の利用も困難な方です。

稼働率や活動頻度は、団体などによって異なりますが、たとえば週1日のみ活動している有償ボランティアもあれば、毎、日送迎を行うというケースもあります。

年間5,000件以上の運行を行う法人もあれば、平日はデイサービスで土日は福祉有償運送という法人もあるなど、地域の状況やニーズに対応して提供されていることが多いようです。

また、移動ニーズに応えることを基本とするため、目的地・対象者・活動規模も様々といえるでしょう。