物流業界の中でも航空貨物で輸送するものには、医薬品、生鮮食品、精密機器、車、動物、美術品、コンサート機材、救援物資など多岐に渡ります。
いずれを運ぶ場合でも、輸送における品質が求められることになりますので、多様化するニーズに対応できることが必要です。
精密機械なら輸送中に発生する振動をできる限り抑えることが必要ですし、動物を輸送するのなら温度調節や換気などに注意が必要です。
多様なニーズを満たすことができ、公共インフラとしてもその役割を担うことになる航空貨物ですが、輸出入においてどのような流れになるか確認しておきましょう。
航空物流業界にはフォワーダー、キャリア、インテグレーターという3つの形態があり、フォワーダーとは利用航空運送事業者を指します。
キャリアは航空機を保有している定期運送事業者で、インテグレーターはキャリアとフォワーダーの両方の機能を備えています。
輸出者は、輸入者に対して送る商品だけでなく、インボイスやパッキングリストなど必要な書類を準備します。
輸出者はフォワーダーに輸入地へ輸送することと通関手続きを依頼し、輸出者が準備した書類を渡し、輸出貨物をフォワーダーが指定する保税地域に向けて発送します。
フォワーダーは貨物を検量し、輸出申告手続きを行って税関からの輸出許可を取得し、輸入地が同じ貨物の混載目録を作成します。その後、貨物が航空会社の上屋に搬入後、航空機に搭載され輸入地へ向かうという流れです。
輸出者は、エアウェイビルが航空会社から発行されますので、インボイスとパッキングリストと一緒に送付します。
輸入者は、エアウェイビル、インボイス、パッキングリストを輸出者から受け取ります。次にフォワーダーに貨物の引き取りと通関手続きを依頼し、輸出者から受け取った書類を渡します。
飛行機到着後、取り出された貨物は保税地域内の上屋に搬入され、フォワーダーが貨物を照合して輸入申告手続きを行い、税関から輸入許可を取得します。
その後、輸入者が指定する場所まで貨物が輸送されるという流れです
航空輸送は輸送にかかる時間が短いことが海上輸送とは異なるメリットでもあります。
急いで運ばなければならないモノが航空輸送の対象となりやすいため、すぐに貨物を引き取ることができるように、それぞれの過程でスムーズに手続きが行われることが求められるといえるでしょう。