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物流倉庫が多くあった倉庫街は今ではオフィス街に?現在の物流倉庫の形

2020.04.09
分類:その他

物流施設は都心の中心部から離れた場所にあることが多いので、一般的になじみがあるとはいえませんでした。しかし近年では、都市にも宅急便の配送センターなどが多く存在するようになり、単なる物置といった印象ではなくなっています。

そしてバブル期に建てられた数々の倉庫が存在する倉庫街は、すでにオフィス街や住宅街へと変貌しました。

では現在、物流倉庫はどのような形で運営されているのか、倉庫の今と昔をご説明します。

従来の倉庫街の現在は

もともと物流用の倉庫は、人口集積地から離れた埋立地などマンションやオフィスビルなどが建設しにくい場所に建てられることがほとんどでした。

倉庫事業者も土地を所有している企業が中心だったので、余っていて使い道のない場所を貸すといったことが多くみられました。

ただ、バブル経済期には倉庫事業を取り巻く環境に変化が見られ、需要拡大から東京都心部などのオフィスビル不足が発生し、都心部に近い中央区の隅田川沿いなどの倉庫街がオフィス街に変貌したという流れです。

また、港区の芝浦・港南地区はもともと倉庫街だった場所ですが、1980年代後半からはマンションが多く建てられるようになりました。

 

現在の物流倉庫の形

では、現在物流倉庫は姿を消してなくなってしまったのかといえばそうではなく、人材を確保するために都心近郊に進出するといったケースも多く見られます。

物流施設内で行う商品管理は機械による自動化や24時間化が進み、一方では人手が必要な仕分け作業などをメインで行う配送センターなども増えている状況です。

オフィスも併設され、食堂や店舗、診療所などまで備えているアメニティ機能を充実させた物流施設などもけして少なくないのです。

 

今後の物流施設や物流倉庫は?

今後の物流施設はさらに形態に変化がみられる可能性があります。すでに荷物を届けても不在であることの多い利用者を対象として、駅などには宅配便を受け取ることができロッカーが設置されたり、指定した自宅近隣のコンビニで受け取りが可能となったりといった取り組みも進んでいる状況です。

運送会社や通販会社などもドローンを活用した物流システム開発を進めている方で、ドローン飛行場が併設された物流施設が主流となることも考えられます。

日本の宅配事業は世界的に見ても洗練されたシステムが備わっているといえますが、今後も新しい物流の仕組みやシステムが構築され、より効率的な運営が可能となることが期待されています。