パソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末からインターネットのECサイトに注文すれば、欲しいものは翌日に希望する時間帯に届けられるというサービスが当たり前になっています。早ければ当日中に届けられるなど、消費者がわざわざ店舗に出向く必要のない便利なECサイト。しかしその便利さを陰で支えるのが物流です。
便利なサービスが当たり前になれば、次々にニーズは高まることとなり、物流でもすべての業務を引き受ける総業が当然のように必要となってきています。
日本の物流は世界的にみても先進的で高度化されているといえます。時間指定や翌日配送を当たり前という状況は、実際のところ諸外国ではなかなか見られません。
それに加え、近年では決済方法も多様化している状況であり、様々な便利なサービスが常に展開され続けている状態です。
日本の物流はかゆいところに手が届く、消費者のニーズにも細かく応える形で発展してきたからこそ、今自らの首を絞めている状況にあるのかもしれません。
物流産業の機能は、調達、受注、輸送、保管、在庫管理、配達などの一連の流れをすべて請け負う形でまさに総業といえます。ここに流通加工などの作業も加わり、大手は輸送以外に倉庫を持ちいろいろな事業を展開しながら総合物流として展開しています。
金融業界などを例にとれば、銀行の主な機能として挙げられるのは預金、貸出、決済などのです。
もし経営を合理化させようとするなら、それぞれの機能を分離し専門性を向上させたほうがよいと考えた時代もあれば、総合的に行うほうがベストだと考えた時代もあり、それが繰り返されていたようです。
しかし物流業界は銀行などの仕組みとは違い、機能を1つに絞ると差別化が難しくなってしまいます。そのため、すべての業務をトータルで請け負いながら工夫をこらし、利益を出すという流れが一般化しているといえるでしょう。
大手は自らが倉庫や物流センターを持ち、荷主の在庫管理まで行いサプライチェーンとしてコントロール機能を果たすという形が多くなりました。
それに加え、廃棄品や返品されたモノまで回収するといったサービスも確率され、値札付けや検針作業などの流通加工まで引き受けるという形が主流化しているのです。すべてをトータルで引き受けてこそ、ニーズがあると考えられているのが最近の物流業界の流れといえます。