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物流の拠点として活気づいている埼玉で特に注目されているのは?

2020.05.10
分類:その他

物流の拠点として埼玉県も活気が感じられますが、中でも三郷市は配送における利便性や労働力確保に加え、賃料ともバランスが取れている物流適地として注目されつつあるようです。

埼玉県下で東京という巨大な消費地をカバーできる立地というと、従来までは川口や戸田周辺が適地と考える方が多いでしょう。

ただ昨今のマルチテナント型大型物流施設の開発などは国道16号沿いの柏周辺に始まっているため、三郷市は新たな物流の拠点として最適といえます。

三郷市が物流エリアに向いている理由

常磐道と外環道のクロスポイントの利便性を享受できることだけでなく、つくばエクスプレスと沿線の居住人口が増えたことも影響しています。

これまで物流拠点の立地を選ぶには、インターからどのくらいの距離か、既存の物流集積などによって判断されていました。ただ、現在は駅からの距離や庫内ワーカーをどの程度確保しやすいのかを考えなければなりません。

三郷や八潮は、主たる交通手段がバスであるため少々不便な印象もあるでしょう。しかしつくばエクスプレスの新駅が開業し、住宅やマンションが増えたことで変貌を遂げています。

現在主流といえる大型高機能物流施設も集積し、外環道が京葉道・湾岸道に繋がるなど飛躍的な交通の利便性向上も期待できるでしょう。

 

国道16号エリアのニーズの高さ

埼玉県の外環道路から国道16号までのエリアは、横の移動には国道16号、縦の移動は東北道・関越道と首都圏の基軸となる幹線を擁しています。

埼玉・外環エリアで物流施設の拠点立地として確保ができなかった企業などを中心として、今後もニーズが高まるエリアといえるでしょう。

環状方向のアクセスが脆弱な首都圏交通網では国道16号の果たす役割はとても大きなものと考えらえます。東京から放射状に伸びている主要道とのクロスポイントは、都内全域に地方からの荷物を配送する拠点となりますし、荷を集約し運び出す拠点としても高い能力を秘めています。

もともと国道16号沿線の物流は工業団地整備や製造業集積と一緒に発展してきたという特徴があります。自動車関連、印刷・出版の物流拠点が集積している川越や、日立物流や東芝物流など常磐道沿線のメーカーの物流子会社が立地した柏、さらに製造業先行で物流の集積が図られていった野田、入間、八王子などなどを見ればわかることでしょう。

さらに国道16号沿線は荷の多様性が高く、いずれの立地でも業種の偏りが少ないことが特徴です。物流施設の供給側からみてもリスクの少ない魅力的な立地といえるでしょう。