2020年に入ってから新型コロナウイルス感染が拡大してしまったことにより、トラック輸送市況は悪化しており、リーマンショックのときよりもひどいといわれています。
2019年10月には消費税が増税され、季節的な暖冬や米中貿易摩擦など、例年よりも荷動きが弱いと感じていたところに新型コロナウイルスの感染拡大というまさに物流業界には四重苦の状況となっています。
トラックの稼働率は低下してしまったことで収入も落ちてしまったところではありますが、余裕が出たトラックを効率的に運用することや、それまで管理職がドライバーも兼務していた状況から解放されるなど、前進する兆しもみられているようです。
余裕が出たことでドライバー不足は緩和されたのはよいものの、輸送量が激減した状況はリーマンショック以上という声もあり、今後物流業界はどうなってしまうのか不安視する声も聞かれています。
新型コロナウイルス感染拡大は中国経済にも大きな打撃を与えましたが、それにより中国国内の工場の操業再開は遅れてしまい、個人消費も減速したことも手伝って輸出入は停滞しました。
日本の主要港でも中国貨物を中心とした、コンテナ貨物の輸送量は激減しています。それによる休車で売上は落ち込み、今後、輸入は戻りつつあっても輸出はコロナ以外の要因もあるため荷動きが鈍いようです。
帝国データバンクの運輸・倉庫の2月の景気DIを確認すると前年より大幅に悪化している状況であり、自粛ムードの影響を受ける商材などの物量は半分程度まで低下している状況なのです。
この一方で、トラック運送業者などはゴールデンウィークに向けた貨物量のリバウンドなどを見込んでおり、荷動きの低迷でさらにドライバー離れが進んでしまったら、荷量が増えたときに対応できなくなることを懸念しています。
ただ、長期化が予想される新型コロナウイルスの感染拡大の影響でひっ迫していた需給が通常の状態に収束させるという見方もあるようです。実際、余裕が生まれたことでスムーズな物流を可能とし、トラックの待機時間も改善されたと喜ぶ声が聞こえています。
ドライバーがいなければ何もできませんが、今はトラックも人も余っている状況なので、1台は休車、2台を3人のドライバーで稼働させるといった効率化により固定費を抑えることもできるといえるでしょう。