環境にやさしい物流として期待されるのが「グリーン物流」ですが、エネルギーにまつわるキーワードとして注目されるのがCO2排出を減らすための具体的な取り組みです。
物流は、輸送・保管・包装という機能からなりたちますが、モノを運び保管し保護することが物流です。そしてグリーン物流では、環境に負担をかけずこのモノの流れを実現させることであり、中でもエネルギーを必要とする場面で排出される二酸化炭素(CO2)をどのように抑えるかに向けて取り組まれています。
運輸部門のCO2排出量は1990年代後半から増加し、現在はやや減少傾向にあるもののまだ全体の約17%を占めている状況です。
その背景には宅配便が増加したことにより、荷物の配達をほぼトラックで賄っていることが挙げられます。
そこで運輸部門ではCO2排出削減にむけてグリーン物流に取り組むべきと、国土交通省が経済産業省や複数の特殊法人と連携して平成17年4月に「グリーン物流パートナーシップ会議」を設立しました。
推進する具体内容は、グリーン物流に優れた取り組みを行った事業者に対し、「グリーン物流優良事業者表彰」を実施することです。
運輸事業者がCO2排出削減に向けたグリーン物流の具体的な施策は次の通りです。
トラックと比較した場合、CO2排出量が少ない鉄道や船舶などの輸送手段を増やすことを指しています。
ハイブリッド車や天然ガス車、電気自動車などCO2排出量が少ないまたは排出しないエコカーを使う方法です。
商品の保管を複数の荷主が同じ倉庫で行い、共同で荷役や配送を行うことです。トラック台数を減少させることが可能となり、CO2削減につながります。
グリーン物流は、さまざまな物流事業者が行うだけでなく、たとえばAmazonや楽天などのEC事業者でも積極的に行うことが取り組むことが必要不可欠といえます。
多様な商品の受け取りシステムを構築させたり、時間帯配達の行い方を見直したり、さらに包装を軽量化させるなども物流事業者と協力しながら実践していくことが必要となるでしょう。
そして消費者側にも再配達を減少させるための協力が求められることとなりますが、これら物流の流れが結果として地球環境保護につながるという意識を持ち続けることが大切といえます。