ここ数年、引越難民という言葉を耳にすることも増えましたが、これは人が多く移動する物流業界の繁忙期において、引越する方たちに向けられた現象のことです。
物流業者も引越ニーズの高まりにより、負担が集中するデメリットはあり、分散できるように取引先企業と事前の打ち合わせなども必要となります。
ニーズが集中してしまい、引越したくてもできない引越難民問題を解決するため、物流分野以外からも分散した引越を応援しようという業界が出てきています。
早期の申し込みとして割引制度など特典を実施するといった取り組み、契約件数を上げた企業などもあります。
それに加え、引越難民をゼロにするために全国50の引越会社と取り組みを始めたリベロは、引越会社同士をマッチングする「HAKOPLA(ハコプラ)」を運営していたり、電気・ガスなどライフラインを一本化で契約する「手続きラクっとNAVI」なども展開しています。
サービス競争をする前に、引越難民をゼロにする解決策を取る必要があると考え、行きの引越荷物はあっても帰りの引越荷物のない場合などにおいて引越会社同士がマッチングにより解決できるサイトとしてハコプラを運営しているようです。
また、引越会社のロスをなくし営業利益を上げるために運営されているのが手続きラクっとNAVIで、引越対応件数を底上げできるので引越難民をなくす対策につながるとしています。
繁忙期に人員やトラックを2倍に増やすことはできないので、いまの分母でロスをなくすために底上げが必要と考えているようです。
仮に繁忙期を基準として人員とトラックを合わせた場合には、閑散期には大きな赤字を抱えることになってしまいます。
年間で赤字を出さない体制を作るためにも、ダンボールなど資材を回収するマッチングサービスや、トラックの空きスペースに引越荷物を乗せるサービスなどを始めています。
これまでデメリットとして考えられていた部分をマッチングシステムでメリットに変化させることにより、引越件数も底上げされ引越難民対策につながっていくでしょう。
分散引越を呼び掛ける対応は各引越業者も積極的に行っているようですが、少しずつ分散化は進んでいるもののまだ対応しきれていない状況です。
このような時、引越業者同士を結び付けるマッチングシステムをうまく活用することで、引越する人だけでなく業者にも大きなメリットが生まれるといえるでしょう。