輸送の遅延により指定された日時に商品を届けることができなかったら誰の責任?
インターネット通販を利用してショッピングを楽しむ方が増えていますが、運送会社としてはニーズの高まりがうれしく感じることもあれば、指定された時間に荷物を届けることができないケースもあるなど、遅延による損害賠償の責任を負うことになるのか気になるところでしょう。
そこで、宅配便などでありがちな遅延トラブルについて誰の責任になるのか解説していきます。
宅配便でよくあるトラブル
宅配便でありがちな利用者が訴えるトラブルの例として、
・希望した日に受け取ることができなかった
・翌日使用しなければならないのに前日に受け取りができず業務に支障が出た
・生鮮食品に傷みが生じていた
・指定した時間前にすでに不在通知が入っていた
・家にいたのに不在通知が入っていた
といったことがあるようです。
ただ、運送会社は受取人(荷受人)と契約しているわけではなく、契約しているのは送り主である荷送任となるため、受取人に対する責任はないと考えられます。
商品の中身が破損していた場合は?
商法では、運送人である運送会社は、保管や運送状態により荷物に異常をきたした場合や、紛失した場合、到着を遅れさせた場合には責任を負うこととなり、責任を免れるためには問題がなかったことを証明しなければならないとされています。
そのため、遅延により生鮮食品などに傷みが生じた場合には、損害賠償請求される対象となる可能性もあると考えられます。
ただ、到着した商品に不具合があっても、それが輸送中の事故によるものなのか、梱包された段階で破損などのトラブルが生じていたのか判断が難しい場合もありますので、この場合には受け取った側が商品の状態を様々な角度から確認して判断することになるでしょう。
場合によっては、運送会社に連絡が入り、責任を追及される可能性もあると理解しておくようにしてください。
遅延によるトラブルを防ぐために必要なこと
翌日配送などのサービスが普及し、人手不足が顕著化している運送会社にとって、ますます厳しい状態となっているともいえます。
実際、輸送中の交通状況やシーズン時など配達する荷物が多くなることが影響し、希望する日時に配達ができないケースも出てくるでしょう。
今後は実際に荷受人の手元まで荷物を運ぶ荷送人である運送会社の負担が重くならないような対応がより重要になると考えられますが、指定した日時に届くことが当たり前のような状況です。この状況をクリアするためには、運送業界が抱えている人手不足が解消されることが求められます。