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アパレルの物流で取り入れられているクイック・レスポンスとは?

2021.01.11
分類:その他

クイック・レスポンスとは、アパレル業界をメインとするサプライチェーン管理活動のことで、食品や日用品業界にも共通します。

クイック・レスポンスが取り入れられるようになったのは、国内生産の衣料品のコストを抑えるためです。

アパレル業界独自の物流過大に対応するために

若い女性の消費者では、ファッション雑誌の最新号が店頭に並ぶ瞬間にチェックし、すぐさまメーカーに電話で予約をしておくといった購買行動も見られます。

なぜなら人気の商品はすぐに売り切れしまい、次に入荷されるまで時間がかかることもあれば、もう入荷しないというケースもめずらしくないからです。

メーカー側の立場になれば、売れる商品は続けて供給することにより機会損失を減少させ売上向上につなげることができます。

しかし糸など原材料を仕入れ商品をつくり、店に並べるまでは時間がかかるため、売れ行きを見極め追加で生産してもニーズに対応できません。

そこで納期を短縮させるために、アパレルメーカーと繊維メーカー・縫製業者などが情報を共有しながら、柔軟に追加生産していけるための取り組みがクイック・レスポンスであり、アパレル業界の課題を解決させる方法とされています。

 

クイック・レスポンスの意味

市場投入開始時期に向けて生産を開始するタイミングをできるだけ近づけること、さらにシーズン中に売れ行きを把握しながら生産していく仕組みを作ることで商慣行の見直しや情報支援強化を実現していこうというものです。

クイック・レスポンスは、英語で「quick」と「response」ですが、「quick」は「早く」、「response」は「返答する」という意味です。この2つの言葉を合わせることで、迅速に対応するということを意味しています。

メーカーや小売業者が商品の生産から販売に至るまでのサイクルを短くできれば、クイックデリバリーを実現させ在庫回転率を高めることができます。

 

クイック・レスポンスのデメリット

店に並べられた商品の売れ行きを確認し、どの商品が売れているのか、反対に売れていないものを見極め、売れ行きのよいものを追加で生産し売れないものは生産をストップします。

クイック・レスポンスによりどれを生産するか判断する場合、注意したいのは商品の品ぞろえが単一的になりやすいことです。

そもそも売れ筋商品となるものはベーシックで一般的なものであり、データだけで生産する商品を選んでしまうと、店頭に並ぶのは無難なものばかりとなってしまいます。そのため他社と似た商品が並ぶこととなり、差別化が難しくなることは注意が必要です。