物流コストの多くを占めているのは「輸送」によるものといえますが、貨物を輸送する手段には陸運、空運、そして海運があります。
この3つはたとえば就活する方がどの分野が人気なのか、どこの業界を選ぶかという基準でも用いられることがありますが、実際にどのような違いがあるのか、どのような輸送に適しているのか把握しておきましょう。
物流には陸運、空運、海運という種類があり、それぞれの内容をご説明します。なお、物流会社を陸運、空運、海運に分け、それぞれの分野で有名な大手企業を挙げるとすれば、次のような形に分類されます。
トラックや鉄道など、陸路での貨車を用いる輸送手段のことで、宅配便やネット通販の配達から、原料や装置、精密機器などの産業品、展示品、美術品など、取り扱う品は多種多様であることが特徴です。
陸運の需要は近年さらに高まっており、物流輸送における要となる存在といえます。
日本郵便、ヤマト運輸、日本通運、日立物流など
航空機による輸送のことで、大量の輸送や、重量のあるモノを輸送することには向いていません。しかし、軽量で小型な電子製品や、緊急性の高いモノを輸送するために、とにかく早く運ぶことができるという部分で大きなメリットです。
短時間で運ぶことができる分、料金が割高になることもあるため、景気が悪化すれば比較的運賃が安めに設定される海運に切り替えられる傾向が見られます。
日本航空、全日本空輸、スカイマークなど
大量輸送が可能となることが大きなメリットであり、世界の貿易の97%は海運が担っているといわれているほどです。
日本は海に囲まれた島国ですので、海運は重要な存在であるといえるでしょう。
輸送には時間がかかってしまいますが、大量の貨物を運ぶことができますし、陸運や空運よりも費用をかけずに輸送できます。
たとえば自動車や重電機など重量のあるものや、石油や鉄鉱石など資源を大量輸入するという場面で用いられることが多い方法です。
日本郵船、川崎汽船、商船三井など
現代社会において、物流は欠かすことのできない業務です。特にインターネット通販などの普及で陸運の需要は常に高い状態ですが、空運や海運にもそれぞれ陸運にはないメリットがあります。スピード重視なら空運、コストを抑えるのなら海運ですが、特に日本のように周囲を海で囲まれている地形の場合、海運はなくてはならない存在といえるでしょう。