物流の手段として使われる鉄道。その鉄道という分野を担う存在がJR貨物です。
そのJR貨物は、ITを活用した「手ブレーキ検知システム」をKDDIの協力を得ながら共同開発し、すべてのコンテナ車に導入するとしています。
物流において鉄道を利用する際、気になるのは貨物列車の安全性でしょう。特にブレーキの際に、貨物が倒れたり破損したりといったことはないのか?と考えてしまうものです。
鉄道を使った物流において、貨物列車の安全性を向上させることは重要な課題ともいえるでしょう。そこでJR貨物とJR東日本コンサルタンツは、2020年6月にKDDIの協力のもとで、IoTを活用した「手ブレーキ検知システム」を共同開発しています。
この新たなシステムは、約7,200両というコンテナ車すべてに、2020年度下期から順次導入していくようです。
貨物駅構内の列車が発車する前には、担当社員がコンテナ車の手ブレーキを担当社員がその都度確認し手動で解除を行っています。手ブレーキは自動車のハンドブレーキと同じく、列車が停車した状態での転がりを防止するために必要です。
コンテナ車はハンドルを巻けばブレーキがかかりますが、運行の際には当然、この手ブレーキを解除しなければなりません。
担当社員がひとつずつ確認し、手動解除しているものの、万一手ブレーキの解除漏れなどがあった場合には車両を引きずることになってしまいます。
そこで、手ブレーキがかかった状態で列車が出発してしまうことを防ぐため、解除の状態をIoT端末から運転士と担当社員にアラームで通知する遠隔確認システムが「手ブレーキ検知システム」です。
コンテナ車1両ごとに設置する「手ブレーキ検知システム」とは、手ブレーキ状態を検知できる通信装置が内蔵されたIoT端末です。
KDDIのIoT向け通信技術で、手ブレーキ状態の情報を自動的に地上サーバーに送ります。その情報はJR貨物の社内システムと連携されるので、列車番号と紐づくこととなり状況の確認が可能となります。
駅から列車が出る前に、構内や運転台のモニターから、編成されているコンテナ車の手ブレーキが解除できていることの確認が可能です。
もし列車に連結されているコンテナ車の中に手ブレーキがかかったままのものがある場合には、モニター画面には警告が表示されるので安全性を向上させることにつながるでしょう。