これまでも様々な革新が起きた物流業界ですが、近年でも新たなイノベーションが起きようとしています。
たとえばIoTやAIなど人的労働力を必要としない、次世代の最新技術によるビジネスへの転換などがその例で、未来を見つめた新しい物流が誕生しようとしています。
物流効率を飛躍させる概念をロジスティクスといいますが、このロジスティクスは戦前から変遷を経て、現在では少子高齢化などによる人手不足などに対処する「ロジスティクス4.0」という考え方が台頭しています。
原材料調達から生産、保管に梱包、そして販売といったモノを作り消費者に届ける流れを一元で管理することをロジスティクスといいます。
物流管理の一連化のことですが、このロジスティクスは19世紀の後半頃にその概念が誕生したと考えられています。
イギリスで18世紀半ばから19世紀初頭にかけ起きた産業革命で、様々な産業で生産を効率化させたことにより、19世紀後半には消費しきれないほど商品が流通するようになったようです。
それにより、市場シェアを拡大しなければならにと考えた企業などが、物流の流れを効率化させるためにロジスティクスという概念を誕生させたといわれています。
ロジスティクスの元祖といえるのが、戦前にトラックや鉄道などを使い陸上での輸送力を飛躍的に高めることに成功した輸送の機械化です。
大量輸送時代の幕開けとなったこの時期を「ロジスティクス1.0」といい、人類の文明が飛躍的に進歩しました。
輸送の機械化から、大きなコンテナを搭載したトラックを港湾まで走らせ、船にコンテナを載せ海外へ運ぶという方法で、荷役はさらに効率化されました。この荷役の機械化こそが「ロジスティクス2.0」です。
1980年代にはコンピュータが普及し、管理・処理業務のシステム化が普及するようになりました。この物流管理の機械化が「ロジスティクス3.0」です。
そして進化したロジスティクスという概念が、IoTやAIなどによる省人化と標準化により大きく変化しようとしている「ロジスティクス4.0」。
業務を見直して無駄な工程を省き、人員を減少させるという未来を見据えたロジスティクスです。
自動運転実用化やドローンを使った配達、ロボットが行う倉庫内作業など、人の手を借りない作業の機械化がロジスティクス4.0といえます。
物流オペレーションの主体はこれまで人でしたが、人からIoTやAIなど次世代テクノロジーへと置き換わろうとしているのです。
IoTやAIなどが省人化や標準化することは人手不足で悩む物流業界の問題を解消できる効果が期待できます。
中堅・中小企業にその効果が波及していくことが必要となり、導入に向けた一歩が競争社会に求められているとも考えられます。