運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送の拠点となるトラックターミナルとはどのような場所?

2021.06.25
分類:その他
国民が快適に生活を送るため、物流を効率化させることが必要になったといえます。その物流の効率化や安全性確保に欠かすことができないのが運送業界も支えるトラックターミナルであり、多様な機能を求められています。

運送の拠点であるトラックターミナルの定義

トラック物流において中心的な役割を果たす施設をトラックターミナルといいますが、荷主や生産拠点からの貨物を目的地である行き先ごとに振り分けることの他、荷揃えする荷捌き場として利用されています。

国土交通省の「自動車ターミナル法」などでは「一般トラックターミナル」と「専用トラックターミナル」として次のように定義されているので確認しておきましょう。

・一般トラックターミナル…不特定多数の事業者の利用できる公共的な施設であり、設置する際には国土交通大臣許可を必要とする

・専用トラックターミナル…運送事業者が自社利用を目的として設置するトラックターミナルであるため、設置する際に国土交通大臣の許可を得る必要はなし

 

トラックターミナルの役割と機能

全国トラックターミナル協会では、トラックターミナルの役割や機能を次のように挙げています。

・荷捌き場として、貨物を送り先のある地域ごとに仕分けし積替える機能と、小口貨物を取りまとめロット貨物へ仕立てる混載機能。

・配送センターとして、貨物を一時保管する機能と、需要に合わせて加工・包装・小分けなどを行う流通加工と品揃えの機能

以上のことから、トラックターミナルとは様々な機能と役割を持った場所であり、物流の効率化のために欠かせない重要な施設といえます。

 

トラックターミナルが抱える課題

このようにトラックターミナルには様々な機能が求められますが、それによって次のような課題を抱えています。ただし物流や運送の効率化のためには、これらトラックターミナルの抱えている課題を解決する対策を検討することが必要です。

建設にかかるコストが高く工期も長め

トラックターミナルは大型トラックにも対応しなければならないため、一定の広さが必要です。そのため建築コストが莫大にかかり、工期も長期に及びます。

作業場に外光が届きにくい

広い面積を屋根で覆う場所となるため、外光が届きにくくカバーするための大量の照明が必要となり、設置だけでなくランニングコストもかかります。

熱がこもりがち

空調効率が悪いため熱がこもりやすく、快適性を保ちにくいため作業効率に影響します。

メンテナンスに手間やコストがかかる

施設が大きいため屋根や外壁の清掃が容易ではなく、溜まった汚れで景観を損ねることや建物自体が傷みやすくなる可能性があります。仮に錆びなどが発生すれば大規模修繕が必要となるなど、メンテナンスに手間やコスト、時間がかかります。