飛行機でモノを運送する「航空貨物」は、トラックなどよりもはやく運ぶことができることが大きな特徴です。
たとえば鮮度重視の魚介や野菜など、新鮮な状態のまま届けることができ、動物などを運送する際にも少ない移動時間でストレスを与えず済みます。
そこで、具体的に航空貨物輸送とはどのような仕事なのか、その内容をご説明します。
たとえば飛行機の中でもB777-300という旅客機の場合、もちろん人も乗ることになりますが、前後に計44個のコンテナを載せることができる貨物室が設けられています。
人が乗る座席の真下に、貨物だけを載せることができる専用の飛行機も存在します。
飛行機はバランスが取れなければ空を飛ぶことができないため、乗客が座る位置によって貨物室のどの部分にコンテナを載せるのか考えなければなりません。
航空貨物では、宅配便などの荷物以外にも、個人が事務所に持ち込む荷物などを運びます。出発1時間前までに、荷物の中身・大きさ・運賃などを確認し、正確に重さを量った上で預かることが必要です。
危険物とされるドライアイスや電池などの荷物は、出発90分前までに手続きしなければ預かることはできません。
動物の場合、生後8週間以内の子犬や、夏など息がしにくくなる鼻の短いブルドッグなどの犬種は預かることができないなど、航空貨物輸送を安全に行うため様々な取り決めがなされています。
航空機の安全運航を守るために、「航空機による爆発物等の輸送基準等を定める告示」などによって輸送の制限がされています。
たとえば日本郵便の場合、航空搭載地域あての郵便物・ゆうパックなどの内容品に航空機での輸送ができないものが含まれていると、航空機以外の方法で届けなければならないため配達が1~4日程度遅れることがあるとしています。
そのため次のようなものが内容品に含まれていないか事前に確認し、正しい品名を記載しておくことが必要です。
火薬類(花火・クラッカー・弾薬など)
高圧ガス(ライター用補充ガス・ダイビング用ボンベ・キャンプ用ガス・カセットコンロ用ガス・スプレー缶など)
引火性液体(オイルライター・液体接着剤・液体状でアルコール分24%超の化粧品・ペイント類)
可燃性物質(マッチ・炭)
酸化性物質類(小型酸素発生器)
毒物類(殺虫剤・農薬)
放射性物質
腐食性物質類(液体バッテリー・水銀)
有害物件(磁性物質・リチウム電池など)