モノを目的地まで運ぶトラック運送業界にとって、幹線道路はなくてはならない存在といえますが、そもそも幹線道路の意味や定義をご存知でしょうか。
もともと幹線道路とは、地域や都市で骨格的な道路網を形成する道のことですが、具体的な意味などをご説明します。
実は道路交通法では、幹線道路について特に定義があるわけではありません。
おおむね歩車道が区別され、車道幅員が片側2車線以上であり、車が高速で走行可能となっている比較的通行料の多い国道や県道などが幹線道路といわれています。
道路法においては、道路の種類を以下のように定めています。
・高速自動車国道(高速道路)
・一般国道(直轄国道・補助国道)
・都道府県道
・市町村道
これらの道路の中で、高速自動車国道・一般国道・都道府県道は幹線道路網を構成します。
そのためエリアごとに分けると、
・全国的に幹線道路網を構成する道路…高速自動車国道・一般国道
・地方で幹線道路網を構成する道路…都道府県道
となります。
また、高速自動車国道と一般国道自動車専用道路、そして「高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路」は道路法により「高規格幹線道路」に分類されます。
対象となるのは自動車が高速走行できる「自動車専用道路」であり、全国の都市や農村地区から1時間程度のアクセスで利用可能となっています。
他にも「広域幹線道路網」がありますが、高規格幹線道路・一般国道・主要地方道で構成される延長約12万キロ(将来構想18万キロ)の道路ネットワークのことです。
幹線道路は渋滞などで移動時間が長くなることもありますし、自動車の排出ガスによる大気汚染や騒音問題が深刻化しています。
そのため、騒音対策として低騒音舗装を敷設するなどタイヤの走行音を小さくするといった整備も行われていますし、道路と沿道の間に遮音壁を設置して騒音を抑えるといった工夫もされています。
大気汚染や騒音・振動の問題については、道路と沿道の距離を取って、排気ガスが拡散することや騒音を抑えるといったことも取り組みの1つです。
他にも樹木を植栽することで、二酸化炭素を吸収させ排気ガスを浄化するなどの対策も目にすることがありますが、同様に様々な工夫がされています。
道路網を形成する幹線道路は、全国各地に走っているものの、整備の状況は完全ではありません。
渋滞や環境問題に加え、交通事故などが起きるといったことも問題となっており、今後も様々な対策が必要とされています。運送業もこれらを踏まえた上で、幹線道路を日々利用することが必要となるでしょう。