不動産業という言葉を耳にすると、建物と顧客を仲介する業種だと想像してしまうことが多いでしょう。
もし物流不動産を選ぶのなら、様々な要素を踏まえた上で最適な物流施設を仲介してもらうことが必要になります。
実際、物流施設を探しているという場合、業務内容や荷物の種類や量、立地や環境などで、今考えている条件で本当によいのか悩むこともあるようです。
物流不動産とは物流業務を行うときに使用する施設として、倉庫や物流センターなどを第三者から貸してもらうことです。
従来の倉庫業では、輸送や保管量に応じて料金が発生するのに対し、物流不動産は面積に応じた賃料が発生することが特徴ともいえます。
施設の特徴として挙げられるのは、免震・制震構造、太陽光発電、ダブルランプウェイといった、倉庫や物流センターとして活用する機能を十分に備えた物件が増えていることです。
これまで倉庫や物流拠点となるのは、物流という部分に特化し、貨物の保管や荷役をメインに行う施設としたものでした。倉庫のオーナーが荷主や物流会社などに賃貸して売上と上げていたのです。
これに対し物流不動産は、一般的な不動産と同じく、倉庫や物流拠点となるスペースを貸し出して賃料を受け取る形で売上を上げることになります。
倉庫業などは事業を行うために免許を取得することが困難であり、管轄省庁が異なるさまざまな規則も混在していることから参入へのハードルも高く、新規で参入したくても高くそびえる障壁が邪魔をして参入できない業界でした。
しかしこの流れは、2001年に中央省庁が再編され、国土庁、運輸省、建設省、北海道開発庁が国土交通省に統合されたことで変わりました。倉庫や物流施設の営業範囲のハードルが低くなり、新規でも参入しやすくなったのです。
物流に対する考え方なども変化してきたわけですが、その1つが物流施設に対して不動産業の要素を取り入れるという物流不動産なのです。
物流に対する荷主や消費者のニーズもだんだんと高度になり、さらに多様化していることから、日本の物流を取り巻く環境は近年大きく変化してきています。
保管型の物流施設が主流だった時代から、1990年代後半には配送型物流施設に移行され、近年ではマルチテナント型の物流不動産が急速に増加している状況となっています。