運送物流業情報ラボTransportation Logistics Information Lab

運送業界を支えた宅配事業で有名だったフットワークは現在も存在する?

2019.11.22
分類:その他

個人宅向けの宅配サービスを展開している企業は色々ありますが、その中でも白地にオレンジがかった赤い犬でペイントされた犬のマークがシンボルだった「フットワーク」という運送会社をご存知でしょうか。

実はこのトラックで運送業を行っていたフットワークエクスプレスは、2001年に経営破綻しており、宅配事業からもすでに手を引いている状態です。

しかし現在でも犬のマークのトラックを目にすることがあるのに?と思う方もいるかもしれません。

現在フットワークは事業を続けている?

フットワークエクスプレス株式会社は2001年に倒産したのですが、その後、民事再生法を申請し、2003年に認可が決定したことで復活となり、2009年には「トール・ホールディングス」の子会社となっています。

もともとフットワークは193810月に設立された東播運輸株式会社を前身とした会社で、そこから1950 9月に「日本運送株式会社」へと名称が変わり、1990年に多くの方が知る「フットワークエクスプレス」に再度社名が変更されました。

 

なぜフットワークは倒産に至ってしまったのか

1990年代には自動車レースのF1にスポンサーとして出資するなど、経営は良好だったようです。

それがなぜ倒産に至ってしまったのか、その理由は規制緩和による参入規制が撤廃されたことで競争が激化したことや、景気後退によるマーケット縮小に伴っての価格競争などを理由としているようです。

 

現在は日本郵便のグループ会社に

宅配業界から撤退後、民事再生法の申請から更生計画認可決定に至るまで、紆余曲折あったことでしょう。

さらに復活後もオリックスから事業譲渡を受け、「新フットワークエクスプレス」に社名が変更され、さらに2009年にオーストラリアの物流会社「トール・ホールディングス」の完全子会社になったという流れです。

2012年には「トールエクスプレスジャパン」に再度社名が変更され、2015年にはトール・ホールディングスが日本郵便に買収され、現在、日本郵便のグループ企業となっています。

 

今でもフットワークのトラックが走っている理由

それでも現在、当時のフットワークのトラックが走っていることを見かけることもあります。

これは、現在のトールエクスプレスジャパンが当時のフットワークのトラックをそのまま配送用トラックとして使っているからです。

ただ、よく見るとフットワークのデザインのままのように見えて、実は犬のイラスト部分を「TOLL」という文字でペイントされていることが多いようです。

地域によっては当時の状態のままで走っていることもありますので、もし気になるようなら注意しておくと出会えるかもしれません。