物流・運送業界にとって、平成時代は価値観の大転換の時代だったといえます。
平成初期から終わりまで、トラック運送を行う事業者は1.5倍に増加し、物流2法をはじめとする規制緩和が相次いで行われたからです。
この時代に大きく成長したのは、
・ロジスティクス
・3PL
・SCM
・グリーン物流
・物流不動産
などですが、荷主と物流事業者どちらも物流改革に血道を上げ、
・コンビニ物流
・ジャストインタイム
・ネット通販物流
などの取り組みも注目されるようになり、まさに物流の時代だったといえます。
そこで、それぞれの取り組みなどはどのような意味を持つのか説明していきます。
ロジスティクスとは、原材料調達から消費者の手元に届くまでの流れを一括により管理するシステムです。
商品を生産する過程から管理を行うため、不良在庫や欠品の発生を防ぐことができ、コストを削減することに期待が持てます。
3PL(サードパーティー・ロジスティクス)とは、「Third Party Logistics」の頭文字を省略した呼び方であり、荷主に対し物流改革の提案を行い、包括し物流業務を受託・遂行することです。
荷主と運送業者の利益相反関係による不都合を解決するため、第三者の事業者が荷主の立場に立って、ロジスティクスを企画・設計・運営します。
SCMとはサプライチェーン・マネジメントのことであり、部品や資材から商品を生産し、卸・小売りなど流通を経由し顧客の手元に届けるまでの流れであるサプライチェーンを正確に管理することです。
一連のモノの流れを正確に管理することで、チェーン全体の経営効率を最適化させます。
グリーン物流とは、物流システムを改善させることで、物流段階のCO2(二酸化炭素)排出量を削減する取り組みです。環境に配慮した物流を主にグリーン物流といいますが、エコ物流と呼ぶこともあります。
物流不動産とは、物流業務を行う施設として第三者に賃貸される倉庫・物流センターのことです。
ダブルランプウェイ・免震・制震構造・太陽光発電など最新鋭設備を備えた物件が増え、託児所やカフェなど従業員が働きやすい設備などが整備された物件の開発も進んでいます。
多くのコンビニチェーンで行われている商品配送の仕組みがコンビニ物流であり、店舗の発注データが本部と配送センターに送られ商品が配送されることで、発注から配送までの時間を短縮できる仕組みのことです。
生産現場のそれぞれの工程において、必要なモノを必要なときに必要な量・数だけ供給する効率的な製造方法論のことです。
通信販売やインターネットショップなどに関わる物流のことであり、入荷にかかる物流も含まれ、すべての作業を通販物流会社に委託することが可能となっています。