運送業のドライバーの高齢化がとまらない状況ですが、特に大型トラックのドライバーの高齢化は著しくあらわれています。
ドライバーとして働く方の約4割は50歳以上であり、今後、中高年層が退職すれば物流・運送業界は維持することすら難しくなることが懸念されます。
そもそも運送業での連絡手段は電話が主流ですが、昭和時代から取り残されているという慣習をすぐにでもなくし、情報技術による物流リソース効率化を進めていくことが急務といえるでしょう。
ドライバー不足が懸念される物流・運送業界ですが、業務を非効率にさせている背景には、建設業界と同様の重層下請け構造が関係しています。
大手物流に対し、何重にも中小の事業者がぶら下がる形となっているため、配送コストの高止まりを大きくさせているといえるでしょう。
この重層下請構造により、負担が大きくなるのは末端のドライバーであり、結果として人材不足を加速化させています。
実際、荷主にとってもピラミッド構造が弊害となっており、昭和時代から続く電話を使った通信手段でドライバーを確保するために最低でも30本は電話しなければならないといった状況です。
1つの通話に2分かかれば、ドライバーを見つけるまで1時間かかるなど、コストや時間に無駄を発生させています。
これらの問題を解決するために登場したのが、インターネットを使った荷主とドライバーをつなぐマッチングサービスです。
直接、荷主とドライバーをつなげる仕組みとなっているため、多くのケースで依頼から3分以内に応答が届きます。
マッチングサービスにより、個人でもドライバーとして生計を立てることができるといった認識が広がることで、ドライバーになりたいと考える人も増えていくことが期待されます。
重層下請構造だけでなく、物流・運送業界で問題になっているのはトラックの待ち時間です。
3時間以上待たなければならないケースもめずらしくなく、降ろす順番も倉庫の都合で変わることはあるものの、ほとんどが早い者勝ちといった状態になっています。
待つ時間がばかりが多く、ほとんど走れていないといった実態のようですが、この状況を解決するために、荷物を降ろす時間を予約できるシステムを開発した企業もあります。
物流拠点で待たされるのも商慣習であり、ドライバーのためにもテクノロジーを使った予約システムが必要とされました。
予約システムを活用すれば長い時間待つ必要はなくなり、空いた時間を別の配送に充てることができます。
倉庫でもどの程度の荷物がいつくるか確認できるため、事前にフォークリフトを準備するといったことも可能です。
物流・運送業界全体が、昭和時代から続く古い商慣習から脱皮することが必要になっているといえるでしょう。